眼球の加速度値を利用したサッケード運動の抽出
サッケード運動の特性である眼球速度, 潜時, 持続時間, 跳躍量は脳内での認知メカニズムを反映しており, VDT作業における視覚性疲労, 文章読解時の理解度, 統合失調症の進行状況, バーチャルリアリティ空間における操作性といった面において評価指標の一つとして用いられている. また, それらは脳機能の解明やモデル化のための足がかりになるものとして注目を集めている. これまでは主に眼球速度がサッケード運動の抽出条件として用いられてきたが, 抽出対象自体種々の速度を有すること, 違った運動形態のものを抽出しなければならないこと, 等から抽出条件や閾値の変更が場合に応じて必要であった. さらに, ス...
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Published in | 人間工学 Vol. 42; no. 4; pp. 234 - 242 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人間工学会
2006
日本人間工学会 |
Subjects | |
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Summary: | サッケード運動の特性である眼球速度, 潜時, 持続時間, 跳躍量は脳内での認知メカニズムを反映しており, VDT作業における視覚性疲労, 文章読解時の理解度, 統合失調症の進行状況, バーチャルリアリティ空間における操作性といった面において評価指標の一つとして用いられている. また, それらは脳機能の解明やモデル化のための足がかりになるものとして注目を集めている. これまでは主に眼球速度がサッケード運動の抽出条件として用いられてきたが, 抽出対象自体種々の速度を有すること, 違った運動形態のものを抽出しなければならないこと, 等から抽出条件や閾値の変更が場合に応じて必要であった. さらに, スムーズ性眼球運動中に発現する捕捉性サッケード運動抽出のように, 視対象の速度が既知の場合しか取り扱えないという欠点があった. 本報告では, 眼球の加速度値からなる抽出条件を提案し, 上述の問題点がこの抽出条件の下で一律に解決できることを実験により実証している. |
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ISSN: | 0549-4974 1884-2844 |
DOI: | 10.5100/jje.42.234 |