くも膜下出血手術症例におけるStroke unitの効果 在院日数と医療費からの検討

平成12年度の医療制度改正で, 在院日数による病院の施設基準が規定され, 一方では介護保険もスタートした. 制度上では医療と福祉, 急性期医療と慢性期医療の区別が明確にされつつあるが, 実際の医療現場ではこの区別の明瞭化には難しい面がある. 本来医学という立場では, 良質な医療の提供こそがわれわれ医師の責務であるが, 実際は保険医療という契約の下で日常の診療は行われているわけであり, いかに急性期高度医療といえども医療経済を無視しては成り立たない. 今後はさらに日本版DRG-PPSの導入も間近に検討されており, 急性期病院における医療の現状はますます厳しくなりつつある. そして, この傾向は,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 29; no. 2; pp. 81 - 84
Main Authors 豊田, 章宏, 島, 健, 平松, 和嗣久, 西田, 正博, 山根, 冠児, 畠山, 尚志, 山中, 千恵, 石野, 真輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2001
日本脳卒中の外科学会
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Summary:平成12年度の医療制度改正で, 在院日数による病院の施設基準が規定され, 一方では介護保険もスタートした. 制度上では医療と福祉, 急性期医療と慢性期医療の区別が明確にされつつあるが, 実際の医療現場ではこの区別の明瞭化には難しい面がある. 本来医学という立場では, 良質な医療の提供こそがわれわれ医師の責務であるが, 実際は保険医療という契約の下で日常の診療は行われているわけであり, いかに急性期高度医療といえども医療経済を無視しては成り立たない. 今後はさらに日本版DRG-PPSの導入も間近に検討されており, 急性期病院における医療の現状はますます厳しくなりつつある. そして, この傾向は, なんらかのdisabilityを残す可能性が高い脳卒中においては, 在院日数も長期化しやすいため, 非常に大きな問題を含んでいる. 反面, この急性期からの包括的医療が望まれる脳卒中治療において, 欧州では1995年ごろからstroke unit(SU)の効果が報告されており, 入院期間の短縮や予後向上の面で有効であったと報告され1)3)5-8), われわれも1996年より早期リハビリテーション(以下, リハ)を取り入れたSUを開始し, その効果について報告している9).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.29.81