小児歯科診療における電動注射器アネジェクト®および局所麻酔剤スキャンドネスト®の使用経験について

小児歯科診療において, 小児患者の協力性の向上や信頼関係を築く上で無痛治療の達成は不可欠であるが, 従来の局所麻酔注射に対して小児患者が抱く恐怖心や不安感は非常に強いことも事実である. また, 治療後に持続する口唇の麻痺感により咬傷などの偶発症の発現もしばしば経験することがある. そこで今回, 電動注射器アネジェクト(R)と麻酔効果の覚醒が速いといわれている血管収縮剤無配合の局所麻酔剤スキャンドネスト(R)を用いて歯科治療を行い, 小児患者への応用について調査, 検討した. 対象および方法 対象は本学小児歯科外来に来院した小児患者のうち, 歯科治療の目的で浸潤麻酔を必要とし, 調査に対し協力が...

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Published in小児口腔外科 Vol. 14; no. 1; pp. 19 - 24
Main Authors 井上, 美津子, 佐藤, 昌史, 佐々, 龍二, 船津, 敬弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.06.2004
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.14.19

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Summary:小児歯科診療において, 小児患者の協力性の向上や信頼関係を築く上で無痛治療の達成は不可欠であるが, 従来の局所麻酔注射に対して小児患者が抱く恐怖心や不安感は非常に強いことも事実である. また, 治療後に持続する口唇の麻痺感により咬傷などの偶発症の発現もしばしば経験することがある. そこで今回, 電動注射器アネジェクト(R)と麻酔効果の覚醒が速いといわれている血管収縮剤無配合の局所麻酔剤スキャンドネスト(R)を用いて歯科治療を行い, 小児患者への応用について調査, 検討した. 対象および方法 対象は本学小児歯科外来に来院した小児患者のうち, 歯科治療の目的で浸潤麻酔を必要とし, 調査に対し協力が得られた49名(男児20名, 女児29名)で, 平均年齢は10歳0か月(4歳0か月~15歳7か月)であった. なお, 対象者はすべて過去に浸潤麻酔(手動)の経験のある者とした. また一部対象者の中には, 心室中隔欠損等の全身的疾患を有する者も含まれている.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.14.19