変わりゆくハンセン病対策
らい予防法廃止後3年が経過したので, 法廃止の趣旨, 理念を胸に刻み, 新たな課題へ対応しつつ, 廃止法を誠実に履行している行政の姿勢について述べる. また, 今後の課題についても言及する. らい予防法が廃止され, ハンセン病対策のパラダイム変化が法律の上で起こってから, 早3年が経緯し, 一連の事象を客観的に見つめなおすとともに, その後生じた事態に対処してゆく必要性が生じてきた. そこで, 第72回ハンセン病学会総会の機会に改めて, 法廃止の意味と経緯に言及しつつ, 行政施策の現状, 課題, 並びに方向性を述べ, ハンセン病学会関係者のご理解とご協力を要請した. 本稿は, 筆者が行った総会...
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Published in | 日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 71 - 75 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ハンセン病学会
1999
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Subjects | |
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ISSN | 1342-3681 1884-314X |
DOI | 10.5025/hansen.68.71 |
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Summary: | らい予防法廃止後3年が経過したので, 法廃止の趣旨, 理念を胸に刻み, 新たな課題へ対応しつつ, 廃止法を誠実に履行している行政の姿勢について述べる. また, 今後の課題についても言及する. らい予防法が廃止され, ハンセン病対策のパラダイム変化が法律の上で起こってから, 早3年が経緯し, 一連の事象を客観的に見つめなおすとともに, その後生じた事態に対処してゆく必要性が生じてきた. そこで, 第72回ハンセン病学会総会の機会に改めて, 法廃止の意味と経緯に言及しつつ, 行政施策の現状, 課題, 並びに方向性を述べ, ハンセン病学会関係者のご理解とご協力を要請した. 本稿は, 筆者が行った総会特別講演の論旨を整理した上で, 供覧したパワーポイント, プレゼンテーションのスライド3葉をあわせ示し, もって, 講演の大要を多くの学会員にお示しせんとするものである. 行政施策の基本的スタンスと現状 ハンセン病対策における行政の基本的スタンスは, 平成8年の厚生大臣の反省謝罪の言を伴う, らい予防法廃止の理念や廃止に至るまでの経緯1), そして, 患者, 感染者の方々の積年の思いを重く受け止め, 現実の施策に生かしてゆくことである. |
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ISSN: | 1342-3681 1884-314X |
DOI: | 10.5025/hansen.68.71 |