バルセロナの計画住宅市街地における維持更新の手法と実態

本研究は,バルセロナの計画住宅市街地を対象に,その形成過程を跡づけ,市街地の維持更新の手法ならびに実態を把握することを目的とする。その結果,(1)低密度の市街地を計画した土木技師セルダの構想はほとんど実現されず様々な建築条例の変遷の結果約4倍の高密度市街地が形成されたこと,(2)現在の計画住宅市街地の保全手法はプランにおけるゾーニングならび地区全体を対象とする修復条例であり,住宅の修復に加えて街区内側の空間を公的なパティオ(中庭)として再整備することが重要な戦略となっていること,(3)街区における所有者の数や前面道路とのアクセスの関係性により様々な形態・使われ方があることが判明した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in住宅総合研究財団研究論文集 Vol. 36; pp. 119 - 130
Main Authors 阿部, 大輔, 熊谷, 亮平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般財団法人 住総研 2010
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究は,バルセロナの計画住宅市街地を対象に,その形成過程を跡づけ,市街地の維持更新の手法ならびに実態を把握することを目的とする。その結果,(1)低密度の市街地を計画した土木技師セルダの構想はほとんど実現されず様々な建築条例の変遷の結果約4倍の高密度市街地が形成されたこと,(2)現在の計画住宅市街地の保全手法はプランにおけるゾーニングならび地区全体を対象とする修復条例であり,住宅の修復に加えて街区内側の空間を公的なパティオ(中庭)として再整備することが重要な戦略となっていること,(3)街区における所有者の数や前面道路とのアクセスの関係性により様々な形態・使われ方があることが判明した。
ISSN:1880-2702
2423-9887
DOI:10.20803/jusokenold.36.0_119