小型X線発生装置を搭載した蓄積放射線線量評価用ルミネセンス自動測定システムの開発

天然鉱物粒子の放射線誘起現象であるルミネセンス測定により, 年代や被曝量と関連した蓄積放射線線量の情報が得られる. ルミネセンスの信頼性高い測定のために, 単分画再現 (SAR) 法が適用可能なように, 黒体放射の影響を最少限にし, 小型X線照射設備を搭載したルミネセンス自動測定システムを開発した. 試料からの微弱なルミネセンスを効率良く冷却した光電子増倍管の感光面に導入するために, コア・ロッド型のガラス製ライトガイドパイプが有効であった. 本システムでは, 当研究室で発見された石英粒子からの赤色熱ルミネセンス (RTL) 以外に, 青色TL (BTL) はもとより, 発光ダイオードを励起光...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in分析化学 Vol. 51; no. 8; pp. 625 - 632
Main Authors 薄田, 隼人, 八幡, 崇, 橋本, 哲夫, 中川, 貴博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2002
Online AccessGet full text
ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.51.625

Cover

More Information
Summary:天然鉱物粒子の放射線誘起現象であるルミネセンス測定により, 年代や被曝量と関連した蓄積放射線線量の情報が得られる. ルミネセンスの信頼性高い測定のために, 単分画再現 (SAR) 法が適用可能なように, 黒体放射の影響を最少限にし, 小型X線照射設備を搭載したルミネセンス自動測定システムを開発した. 試料からの微弱なルミネセンスを効率良く冷却した光電子増倍管の感光面に導入するために, コア・ロッド型のガラス製ライトガイドパイプが有効であった. 本システムでは, 当研究室で発見された石英粒子からの赤色熱ルミネセンス (RTL) 以外に, 青色TL (BTL) はもとより, 発光ダイオードを励起光源とした石英粒子を用いた (青色) 光励起ルミネセンス (B-OSL) とともに, 長石粒子を用いる赤外光励起ルミネセンス (IRSL) も高感度で自動測定可能であることを確認した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.51.625