口蓋形成術を行ったCornelia de Lange症候群の2例

Cornelia de Lange症候群は,特異的な顔貌,多毛,精神発達遅滞,四肢の形態異常などを特徴とする先天異常の一つである。口腔領域の所見としては,ほとんどの症例に小顎症を認め,高口蓋を合併し,20~30%に口蓋裂を伴うと,報告されている。 最近,われわれは,このCornelia de Lange症候群の2例に口蓋形成術を行う機会があったので,その概要を報告する。 1例は,3歳7か月女児(体重6,700g),もう1例は,13歳0か月女児(体重19,900g)である。手術時期は,患児の保護者,小児科医,麻酔科医と協議の上,全身状態の安定した時期に決定された。ともに全身麻酔下にて,pushb...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 105 - 109
Main Authors 加納, 欣徳, 夏目, 長門, 杉浦, 正幸, 河合, 幹, 角田, 典隆, 山本, 忠, 嘉悦, 淳男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 30.04.1998
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.23.2_105

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Summary:Cornelia de Lange症候群は,特異的な顔貌,多毛,精神発達遅滞,四肢の形態異常などを特徴とする先天異常の一つである。口腔領域の所見としては,ほとんどの症例に小顎症を認め,高口蓋を合併し,20~30%に口蓋裂を伴うと,報告されている。 最近,われわれは,このCornelia de Lange症候群の2例に口蓋形成術を行う機会があったので,その概要を報告する。 1例は,3歳7か月女児(体重6,700g),もう1例は,13歳0か月女児(体重19,900g)である。手術時期は,患児の保護者,小児科医,麻酔科医と協議の上,全身状態の安定した時期に決定された。ともに全身麻酔下にて,pushback法による口蓋形成術を行った。精神発達遅滞のため術後も発語は認められなかったが,口蓋の形態学的改善にともない,裂部への食渣の圧入や鼻漏出がなくなり,食欲の改善がみられ,今後の成長,発育に期待がもてるようになった。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.23.2_105