心外膜側アブレーションにより持続性単形性心室頻拍を抑制し得た拡張相肥大型心筋症の1例
症例は55歳, 男性. 拡張相肥大型心筋症. 抗不整脈薬無効の持続性単形性心室頻拍(SMVT)あり当院紹介となった. 2009年7月, 初回, 心臓電気生理学的検査(EPS)を施行. 左室プログラム刺激により同一のSMVTが誘発された. VTは, 限局的に低電位を示した, 左室前側壁基部を最早期とする巣状興奮パターンを示した. 良好なエントレインメントの指標が得られたため, 高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を行うも無効であった. 両心室ペースメーカー機能付き植込み型除細動器を植え込み経過をみたが, 同一VTが再発しelectorical storm(ES)となった. 9月第2回EPS...
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Published in | 心臓 Vol. 42; no. SUPPL.4; pp. S4_141 - S4_148 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2010
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Subjects | |
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Summary: | 症例は55歳, 男性. 拡張相肥大型心筋症. 抗不整脈薬無効の持続性単形性心室頻拍(SMVT)あり当院紹介となった. 2009年7月, 初回, 心臓電気生理学的検査(EPS)を施行. 左室プログラム刺激により同一のSMVTが誘発された. VTは, 限局的に低電位を示した, 左室前側壁基部を最早期とする巣状興奮パターンを示した. 良好なエントレインメントの指標が得られたため, 高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を行うも無効であった. 両心室ペースメーカー機能付き植込み型除細動器を植え込み経過をみたが, 同一VTが再発しelectorical storm(ES)となった. 9月第2回EPS施行. 剣状突起下穿刺により心外膜へアプローチしたところ, 前側壁基部で心内膜側より広範な低電位領域を認め, SMVTは同部位内で周期をほぼ満たした. RFCAにてVTは停止した. しかし, 3週間後, 再び同一VTのESとなり, 第3回EPSを施行. 心外膜側低電位領域内でのペースマップ(PM)を指標にRFCAを追加し, さらに誘発された別のSMVTに対しても, 同じ低電位領域内で, 同様にPMを指標にRFCAを加えた. 以後いかなるVTも認めていない. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.42.S4_141 |