運動後に心肺停止となり冠動脈造影にて左冠動脈右バルサルバ洞起始症を確認し得た1例

症例は11歳の女児. 2009年1月7日, バレーボールの練習中に突如気分不良が出現し, 意識消失したため当院へ救急搬送となった. 搬入時ショックバイタルであり胸痛を伴っていた. 心電図上I, aVL, aVR, V2~6でのST上昇とII, III, aVF, V1でのST低下が認められ, 心エコーでは広範に壁運動低下が認められた. 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 左冠動脈はエンゲージ困難で, 大動脈造影でも左冠動脈は描出されなかった. 検査中心肺停止となり, PCPS・IABPによるサポートを開始した. その後の造影で狭小化した左冠動脈が右バルサルバ洞から起始している所見が認...

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Published in心臓 Vol. 42; no. SUPPL.2; pp. S2_197 - S2_202
Main Authors 蔵田, 洋文, 黒川, 博文, 佐多, 荘司郎, 角田, 隆輔, 緒方, 康博, 外牧, 潤, 平井, 克樹, 古瀬, 昭夫, 小柳, 俊哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.42.S2_197

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Summary:症例は11歳の女児. 2009年1月7日, バレーボールの練習中に突如気分不良が出現し, 意識消失したため当院へ救急搬送となった. 搬入時ショックバイタルであり胸痛を伴っていた. 心電図上I, aVL, aVR, V2~6でのST上昇とII, III, aVF, V1でのST低下が認められ, 心エコーでは広範に壁運動低下が認められた. 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 左冠動脈はエンゲージ困難で, 大動脈造影でも左冠動脈は描出されなかった. 検査中心肺停止となり, PCPS・IABPによるサポートを開始した. その後の造影で狭小化した左冠動脈が右バルサルバ洞から起始している所見が認められた. 血流は確保されており, 慢性期に突然死予防のため外科的血行再建術を行った.  運動後の心肺停止時に, 冠動脈造影にて左冠動脈主幹部の血流途絶と再開を確認し得た左冠動脈右バルサルバ洞起始症の1例について, 若干の文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.S2_197