急性陰窩性扁桃炎に対するCefiximeの臨床評価Cefroxadineを対照とする二重盲検群間比較試験
1. Cefixime (CFIX) の急性陰窩性扁桃炎に対する有効性, 安全性を客観的に評価するため, Cefroxadine (CXD) を対照薬として二重盲検群間比較試験を実施した。CFIXは1回100 mgを1日2回朝・夕食後, CXDは1回250 mgを1日3回朝・昼・夕食後経口投与した。 臨床効果検討症例数は202例 (CFIX群103例, CXD群99例) で患者背景においてCFIX群に重症例が有意に (P<0.01) 多く分布していた。 2. 主治医臨床効果は, CFIX群で著効63例 (61.2%), 有効28例 (有効率88.3%), CXD群で著効54例 (54.5...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 40; no. 1; pp. 25 - 54 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1987
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.40.25 |
Cover
Summary: | 1. Cefixime (CFIX) の急性陰窩性扁桃炎に対する有効性, 安全性を客観的に評価するため, Cefroxadine (CXD) を対照薬として二重盲検群間比較試験を実施した。CFIXは1回100 mgを1日2回朝・夕食後, CXDは1回250 mgを1日3回朝・昼・夕食後経口投与した。 臨床効果検討症例数は202例 (CFIX群103例, CXD群99例) で患者背景においてCFIX群に重症例が有意に (P<0.01) 多く分布していた。 2. 主治医臨床効果は, CFIX群で著効63例 (61.2%), 有効28例 (有効率88.3%), CXD群で著効54例 (54.5%), 有効37例 (有効率91.9%) であり, 両薬剤群間に有意差は認められなかつた。委員会の3日目判定ではCFIX群で有効率40.8%, CXD群47.9%で両薬剤群間に差は認められなかつたが, 7日目判定においてCFIX群の有効率79.8%に対してCXD群93.4%であり両薬剤群間に有意差 (P<0.05) が認められた。主治医判定と委員会7日目判定の有意差検定結果で認められた差異については, 主治医判定と委員会判定の判定方法の差異に加えて, 両薬剤群間の委員会判定に用いたデータの観察日の偏りが影響している可能性が高いと考えられた。細菌学的効果はCFIX群93.4%CXD群96.9%と両薬剤群とも良好な菌消失率を示した。 3.安全性の検討例数は226例 (CFIX群110例, CXD群116例) で, 副作用の発現は消化器症状と発疹がCFIX群に6例 (5.5%), CXD群に5例 (4.3%) 認められ, 臨床検査値の異常としてCFIX群にGOT, GPTの上昇1例が認められたが, 両薬剤群間に差は認められなかつた。 4.有用性検討例数は201例 (CFIX群102例, CXD群99例) で, CFIX群で極めて有用65例 (63.7%), 有用25例 (有用率88.2%), CXD群で極めて有用54例 (54.5%), 有用37例 (有用率91.9%) と両薬剤群共優れた有用性を示し, CFIXは急性陰窩性扁桃炎の治療薬として, CXDの約1/3の量で同等の効果が期待できる有用性の高い薬剤と考えられた。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.40.25 |