数種類の不整脈を示した拡張相肥大型心筋症の1例

2005年3月9日心肺停止,心室細動(VF)にて当院に搬送された.LVEF 32%と著明な心機能低下を認め,拡張相肥大型心筋症(D-HCM)と診断し,ICD植え込み術を施行した.2007年6月11日嚥下誘発性ATでICD作動したため,左房天蓋部起源のATに対しカテーテルアブレーションを施行した.2011年4月8日動悸を主訴に来院し,心拍数が156bpmの心室頻拍(VT)であり心房細動(AF),心不全を合併していた.CardioversionによりVTは停止したが,すぐに再発したため,頻拍予防目的でアミオダロン内服を開始した.4月20日VT再発のため,5月2日VTに対してカテーテルアブレーション...

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Published in心臓 Vol. 44; no. SUPPL.3; pp. S3_230 - S3_235
Main Authors 丹野, 郁, 大西, 克実, 伊藤, 啓之, 安達, 太郎, 宗次, 裕美, 三好, 史人, 川崎, 志郎, 小林, 洋一, 菊地, 美和, 渡辺, 則和, 浅野, 拓, 大沼, 善正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2012
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.44.S3_230

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Summary:2005年3月9日心肺停止,心室細動(VF)にて当院に搬送された.LVEF 32%と著明な心機能低下を認め,拡張相肥大型心筋症(D-HCM)と診断し,ICD植え込み術を施行した.2007年6月11日嚥下誘発性ATでICD作動したため,左房天蓋部起源のATに対しカテーテルアブレーションを施行した.2011年4月8日動悸を主訴に来院し,心拍数が156bpmの心室頻拍(VT)であり心房細動(AF),心不全を合併していた.CardioversionによりVTは停止したが,すぐに再発したため,頻拍予防目的でアミオダロン内服を開始した.4月20日VT再発のため,5月2日VTに対してカテーテルアブレーションを施行した.2005年からの心電図の比較では,QRS幅が経年的に延長し広範な心室内伝導障害が示唆され,QRS幅の拡大に伴い不整脈および心不全イベントが増加した.2011年8月にCRT-Dへupgradeしたところ,心胸郭比の縮小とBNPの低下を認めた.CRTDへのupgrade後,心不全の再発はなく,不整脈も抑制されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.S3_230