当科における小児顎骨嚢胞の入院手術症例の検討

「緒言」小児の顎骨嚢胞は, 歯の交換期, 顎骨の成長発育の途中に発生する点で成人の嚢胞と異なるが, 過去に多数の症例を集めて臨床的に検討した報告はきわめて少ない1). また, 小児の顎骨嚢胞の手術に際しては, 局所麻酔下で施行可能か, 嚢胞を全摘出または開窓療法にするか, 嚢胞内の永久歯を抜歯あるいは保存するか否かは議論の分かれるところである. そこで今回われわれは, 小児の顎骨嚢胞の入院手術症例に対して臨床的検討を行い, 若干の知見を得たので症例の供覧と併せて報告する. 対象 対象は1985年1月~2004年12月までの20年間に入院手術を施行し, 病理組織検査において顎骨嚢胞と診断した15...

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Published in小児口腔外科 Vol. 16; no. 1; pp. 8 - 14
Main Authors 中川, 種昭, 朝波, 惣一郎, 長島, 郁乃, 金納, 利絵, 岡田, 豊, 木村, 美那, 小飼, 英紀, 矢郷, 香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.06.2006
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.16.8

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Summary:「緒言」小児の顎骨嚢胞は, 歯の交換期, 顎骨の成長発育の途中に発生する点で成人の嚢胞と異なるが, 過去に多数の症例を集めて臨床的に検討した報告はきわめて少ない1). また, 小児の顎骨嚢胞の手術に際しては, 局所麻酔下で施行可能か, 嚢胞を全摘出または開窓療法にするか, 嚢胞内の永久歯を抜歯あるいは保存するか否かは議論の分かれるところである. そこで今回われわれは, 小児の顎骨嚢胞の入院手術症例に対して臨床的検討を行い, 若干の知見を得たので症例の供覧と併せて報告する. 対象 対象は1985年1月~2004年12月までの20年間に入院手術を施行し, 病理組織検査において顎骨嚢胞と診断した15歳以下の小児40例, 45嚢胞であった. それぞれの症例に対し, 性別, 年齢, 発生部位, 嚢胞の種類および治療法等について検討した. 結果 1. 性, 年齢別頻度 性別は, 男児23例, 女児17例で, やや男児に多く, 年齢は, 6~15歳で平均年齢11.8歳であった(表1).
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.16.8