非常時に環境中に残留する化学物質の除去技術:適用技術選択を支援するデータベースの構築及び汎用技術となり得る高機能型植栽環境浄化ユニットの開発

災害や事故が発生した場合,直接的な人的・経済的被害に加えて,事業所等から漏出した化学物質が環境中に残留し,人や生態系に対する副次的リスクとなったり,復興・復旧を妨げる障害となる可能性がある。そのため,早期に残留化学物質を除去してリスク低減を図ることが必要であるが,災害や事故後の非常時には,投入できる資源(人員・人材,資金,エネルギー,物資)が制限されるなど,平常時にはみられない制約条件が存在するため,平常時に有効な環境浄化・排水処理技術が必ずしも適用できるとは限らない。本稿では,非常時の制約条件を加味して残留化学物質除去技術を選定する際に利用可能なデータベースと,非常時の汎用的な残留化学物質除...

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Published in地球環境 Vol. 28; no. 2; pp. 241 - 248
Main Author 井上, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国際環境研究協会 2023
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Summary:災害や事故が発生した場合,直接的な人的・経済的被害に加えて,事業所等から漏出した化学物質が環境中に残留し,人や生態系に対する副次的リスクとなったり,復興・復旧を妨げる障害となる可能性がある。そのため,早期に残留化学物質を除去してリスク低減を図ることが必要であるが,災害や事故後の非常時には,投入できる資源(人員・人材,資金,エネルギー,物資)が制限されるなど,平常時にはみられない制約条件が存在するため,平常時に有効な環境浄化・排水処理技術が必ずしも適用できるとは限らない。本稿では,非常時の制約条件を加味して残留化学物質除去技術を選定する際に利用可能なデータベースと,非常時の汎用的な残留化学物質除去技術の1 つとなり得る高機能型植栽環境浄化ユニット(植栽浄化ユニット)について紹介する。
ISSN:1342-226X
2758-3783
DOI:10.57466/chikyukankyo.28.2_241