動画MRIを用いたCuff-Y exerciseの分析
【目的】腱板機能低下症例や肩甲胸郭機能低下症例等の の理学療法では、腱板機能訓練と肩甲胸郭機能訓練を目 的としたCuff-Yexercise(以下Cuff-Yex)が推奨されて いる。従来、Cuff-Yexは低負荷での運動が有用とされて いるが、動画において、リアルタイムに可視的な関節・ 筋肉の動きを確認している報告は少ない。 当院では放射線技師の技術によりMRIの動画撮影が可能で ある。運動による動きを可視的に観察する事が容易である。 そこで今回、動画MRIを用いて肩関節外旋動作を異なる負荷 量にて撮影し、負荷量による肩関節周囲筋群の関係性とCuff -Yexについて検討したので報告する。...
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Published in | 関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 28; p. 23 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0916-9946 2187-123X |
DOI | 10.14901/ptkanbloc.28.0.23.0 |
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Summary: | 【目的】腱板機能低下症例や肩甲胸郭機能低下症例等の の理学療法では、腱板機能訓練と肩甲胸郭機能訓練を目 的としたCuff-Yexercise(以下Cuff-Yex)が推奨されて いる。従来、Cuff-Yexは低負荷での運動が有用とされて いるが、動画において、リアルタイムに可視的な関節・ 筋肉の動きを確認している報告は少ない。 当院では放射線技師の技術によりMRIの動画撮影が可能で ある。運動による動きを可視的に観察する事が容易である。 そこで今回、動画MRIを用いて肩関節外旋動作を異なる負荷 量にて撮影し、負荷量による肩関節周囲筋群の関係性とCuff -Yexについて検討したので報告する。 【方法】対象は肩関節疾患既往のない健常人13名(男性7 名:女性6名,平均年齢:28±4.66)測定筋は棘下筋・小 円筋・三角筋とした。MRI(GE社製)にてスライス面は大 結節部とした。負荷量は、Thera-Band社製TUBING長さ10cm を用いて、Yellow張力:0.55kg(100%伸長率)Green張力: 2.73kg(100%伸長率)無負荷(Free)にて比較。開始肢位 は、肩関節内転内旋位肘関節90度屈曲位。肩関節75度内旋 位から0度まで外旋、動画撮影を行う。動画にて負荷量の変 化による、棘下筋・小円筋・三角筋後部繊維・上腕骨頭の 動きを観察。最大外旋位における三角筋後部繊維の断面積 を測定。 【結果】Free、棘下筋・小円筋の収縮のバランスがよく、 上腕骨頭の関節窩上での支点が定まり動きも良い。Yellow ・Greenは三角筋後部繊維の収縮が強くなり、代償動作が 増え、骨頭の動きも悪くなる。男女では女性の方が顕著に 違いが確認された。 【考察】Cuff-Yexの目的として、Outer Muscle(以下、OM) の関与を抑制しInner Muscle(以下、IM)中心の収縮が効果 的とされている。さらに、主としてIMで肩関節を動かすこ とができるよう、バイオフィードバックさせる意味をもち 腱板訓練の最も基本となる。今回の実験でFreeにて外旋動 作を行うことで、三角筋後部繊維の関与が少なく、棘下筋 ・小円筋中心の訓練を行うことが可能である事が視覚的に 動画から確認された。 |
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Bibliography: | 23 |
ISSN: | 0916-9946 2187-123X |
DOI: | 10.14901/ptkanbloc.28.0.23.0 |