大気圧化学イオン化イオントラップ型質量分析計を用いる有機塩素化合物のオンライン測定

今日,微量ガスのリアルタイム計測は,環境分析において重要性を増している。従来,こうした微量ガス分析にはガスクロマトグラフ(GC)やガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)が用いられてきたが,コストや時間がかかるという問題があった。そこで,著者らは焼却炉排ガスのオンライン分析を目的として,大気圧化学イオン化-イオントラップ型質量分析計を開発した。この結果,クロロフェノールやクロロベンゼンなどの芳香族塩素化合物に対する検出限界が,イオン化に電子衝撃(EI)や化学イオン化(CI)を用いたときに比べて10~1000倍に向上した。特に,2,4-ジクロロフェノールに対し,検出限界濃度30pptを得た。...

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Published in分析化学 Vol. 49; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 橋本, 雄一郎, 山田, 益義, 管, 正男, 木村, 宏一, 坂入, 実, 田中, 真二, 水本, 守, 阪本, 将三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2000
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Summary:今日,微量ガスのリアルタイム計測は,環境分析において重要性を増している。従来,こうした微量ガス分析にはガスクロマトグラフ(GC)やガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)が用いられてきたが,コストや時間がかかるという問題があった。そこで,著者らは焼却炉排ガスのオンライン分析を目的として,大気圧化学イオン化-イオントラップ型質量分析計を開発した。この結果,クロロフェノールやクロロベンゼンなどの芳香族塩素化合物に対する検出限界が,イオン化に電子衝撃(EI)や化学イオン化(CI)を用いたときに比べて10~1000倍に向上した。特に,2,4-ジクロロフェノールに対し,検出限界濃度30pptを得た。また,本装置を実験用焼却炉に接続し,実ガスでのオンライン分析が可能であることを実証した。
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.49.49