炭素・窒素の安定同位体比による環境解析―生物間相互作用から流域の物質代謝まで

炭素・窒素安定同位体自然存在比(δ13C,δ15N)の測定は生物地球化学や生態学をはじめ広く環境解析に使われるが,研究テーマや対象にとらわれない本測定法を用いた研究は次の三つに大別できる。一つ目は「起源推定と混合割合の解析」に関するもの,二つ目は「主たる反応とその反応での律速要因や反応割合の解析」に関するもの,三つ目は「化学平衡の成立の検証」に関するものである。環境科学では一つ目の解析が主であるが,筆者の取り組んだ研究とそれに関連する研究例を振り返り,安定同位体分析による環境解析の特質を紹介する。...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 62; no. 2; pp. 97 - 103
Main Author 高津, 文人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 2013
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Summary:炭素・窒素安定同位体自然存在比(δ13C,δ15N)の測定は生物地球化学や生態学をはじめ広く環境解析に使われるが,研究テーマや対象にとらわれない本測定法を用いた研究は次の三つに大別できる。一つ目は「起源推定と混合割合の解析」に関するもの,二つ目は「主たる反応とその反応での律速要因や反応割合の解析」に関するもの,三つ目は「化学平衡の成立の検証」に関するものである。環境科学では一つ目の解析が主であるが,筆者の取り組んだ研究とそれに関連する研究例を振り返り,安定同位体分析による環境解析の特質を紹介する。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.62.97