顔面非対称を伴う下顎前突症患者における顎骨非対称の三次元評価

「緒言」顔面非対称あるいは骨格性の顎偏位を呈する患者の治療にあたっては, 偏位の様相や特徴を十分に把握することが極めて重要である. 従来, 顎顔面の形態分析は, 主として頭部X線規格写真をはじめとする二次元的な分析により行われ1-3), 続いて, 二次元画像を手がかりとして三次元画像に再構築することで行われてきた4,5). さらにCTの開発によりの顎顔面を三次元的に構築することが可能となり7-15), 二次元的な手法だけでは解析が困難であった左右構造物の非対称性, 捻れ, 歪みなど, 複雑な頭蓋顔面骨の変形を三次元的かつ視覚的に捉える試みがなされている16-20). しかし, 三次元画像と軸位...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 17; no. 1; pp. 29 - 36
Main Authors 若松, 孝典, 花田, 晃治, 林, 孝文, 八巻, 正樹, 齋藤, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2007
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.17.29

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Summary:「緒言」顔面非対称あるいは骨格性の顎偏位を呈する患者の治療にあたっては, 偏位の様相や特徴を十分に把握することが極めて重要である. 従来, 顎顔面の形態分析は, 主として頭部X線規格写真をはじめとする二次元的な分析により行われ1-3), 続いて, 二次元画像を手がかりとして三次元画像に再構築することで行われてきた4,5). さらにCTの開発によりの顎顔面を三次元的に構築することが可能となり7-15), 二次元的な手法だけでは解析が困難であった左右構造物の非対称性, 捻れ, 歪みなど, 複雑な頭蓋顔面骨の変形を三次元的かつ視覚的に捉える試みがなされている16-20). しかし, 三次元画像と軸位断, 矢状断, 冠状断像を同時に表示可能な多断面再構成画像(multiplanner reconstruction;以下MPR画像)とを同一画面上に表示し, MPR画像上で計測部位を確認しながら形態計測することは依然として不可能であった. そこで今回, volume rendering法(以下VR法)により高画質な三次元画像を作成することが可能な解析ソフトMedical Viewer INTAGE 3.1((株)ケイ・ジー・ティー社製)(以下INTAGE)を用いて, 三次元画像とMPR画像を同一画面上に表示して計測部位を三次元的に確認しながら形態計測し, 顔面非対称を伴う顎変形症患者における上下顎骨の非対称性ならびに頭蓋に対する上下顎骨の位置づけについて三次元的な評価を行い, 偏位様相についての分類を試みた.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.17.29