先天歯に口蓋垂裂を伴った1例

今回われわれは口蓋垂裂を伴った先天歯(過剰歯)の1例を経験したので, 遺伝子解析と若干の文献的考察を加え報告する. 症例 患者:日齢22, 女児. 初診:2004年8月3日. 主訴:下顎前歯部歯槽堤の腫瘤. 既往歴:心雑音と卵円孔開存を認め, 経過観察中である. 家族歴:姉(8歳)は2歳時に他院にて口蓋裂の治療をうけた. また父方の家系に唇顎口蓋裂の家系員がいる. 現病歴:2004年7月正常分娩により出生. 在胎38週1日, 出生体重2400g, Apgarスコア9点で, 全身的に形態異常は認めなかったが, 下顎前歯部歯槽堤に歯様硬固物を伴う腫瘤を指摘され, 新生児科より紹介されて当科を受診し...

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Published in小児口腔外科 Vol. 15; no. 2; pp. 131 - 134
Main Authors 小野重弘, 東川晃一郎, 宮内美和, 信森剛, 重石英生, 瀧雅行, 西裕美, 米田進吾, 齋藤彰久, 鎌田伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.12.2005
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Summary:今回われわれは口蓋垂裂を伴った先天歯(過剰歯)の1例を経験したので, 遺伝子解析と若干の文献的考察を加え報告する. 症例 患者:日齢22, 女児. 初診:2004年8月3日. 主訴:下顎前歯部歯槽堤の腫瘤. 既往歴:心雑音と卵円孔開存を認め, 経過観察中である. 家族歴:姉(8歳)は2歳時に他院にて口蓋裂の治療をうけた. また父方の家系に唇顎口蓋裂の家系員がいる. 現病歴:2004年7月正常分娩により出生. 在胎38週1日, 出生体重2400g, Apgarスコア9点で, 全身的に形態異常は認めなかったが, 下顎前歯部歯槽堤に歯様硬固物を伴う腫瘤を指摘され, 新生児科より紹介されて当科を受診した. 現症:全身所見;体重2,400gで低体重であったが, 全身的に異常は認められなかった. 口腔内所見;下顎前歯部歯槽堤に10×4mmの可動性の腫瘤性病変を認めた. その先端には自色の歯様硬固物が一部露出し, 軟組織でこれを覆うように歯肉と連続し, 著明な可動性を認めた(写真1A). その他萌出歯は認めなかった. さらに, 口蓋垂裂を認めた(写真1B).
ISSN:0917-5261
DOI:10.11265/poms1991.15.131