女子中学生におけるダイエット行動に関するセルフエフィカシー尺度の作成 セルフエフィカシーとダイエット行動のタイプとの関連

本研究の目的は, 女子中学生を対象に, 運動実施を含むダイエット行動とセルフエフイカシー (以下SEと略す) の関連を調査することである. まず, 女子中学生387名を対象に, 日本語版中学生用運動行動SE尺度と中学生用過食状況SE尺度を作成した.主成分分析の結果, 運動行動SE尺度1主成分が抽出され, 因子分析の結果, 過食状況SE尺度5因子が抽出された.信頼性の検討はα係数の算出で行った.運動行動SE尺度は実際の運動行動との間に, 過食状況SE尺度は食行動調査票との間に相関関係が認められ, 妥当性が確認された. さらに, 対象者のダイエット行動に基づき, ダイエット非実施群, 食事ダイエッ...

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Published inJapanese Journal of Health Education and Promotion Vol. 11; no. 2; pp. 67 - 76
Main Authors 上地, 広昭, 中村, 菜々子, 葦原, 摩耶子, 竹中, 晃二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 31.12.2003
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
Subjects
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ISSN1340-2560
1884-5053
DOI10.11260/kenkokyoiku1993.11.67

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Summary:本研究の目的は, 女子中学生を対象に, 運動実施を含むダイエット行動とセルフエフイカシー (以下SEと略す) の関連を調査することである. まず, 女子中学生387名を対象に, 日本語版中学生用運動行動SE尺度と中学生用過食状況SE尺度を作成した.主成分分析の結果, 運動行動SE尺度1主成分が抽出され, 因子分析の結果, 過食状況SE尺度5因子が抽出された.信頼性の検討はα係数の算出で行った.運動行動SE尺度は実際の運動行動との間に, 過食状況SE尺度は食行動調査票との間に相関関係が認められ, 妥当性が確認された. さらに, 対象者のダイエット行動に基づき, ダイエット非実施群, 食事ダイエット群, 運動ダイエット群, 食事+運動ダイエット群の4群に分類した.分散分析の結果, 食事+運動ダイエット群は他の群に比べて, 運動行動SE, およびリラックス状況における過食状況SEが高いことが明らかになった.この結果より, SEは, ダイエット行動として運動を選択するかどうかに影響する可能性が考えられる.さらに, 食べ過ぎる危険性の高い状況でも高いSEを持つためには食事と運動を併用してダイエットを行う必要があることが示唆され, ダイエット行動に介入する際にSEは重要な要因となると考えられる.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku1993.11.67