災害・事故事象に対応する迅速拡散予測手法の開発

災害・事故時の大気及び河川における拡散予測手法を開発するため,大気及び水域における化学物質の排出シナリオを作成し,代表的な化学物質の非定常排出時における漏洩を想定した大気と水域の解析を行い,早見表を作成した。具体的には,漏洩条件(排出シナリオ,気象状況)に対応した大気拡散解析をアンモニア,塩素,揮発性有機化学物質(VOC)について実施し,影響範囲の迅速な判断に資する,急性影響閾値を超過する範囲を示す早見表を作成した。水域は,全国河川を流域面積や流量で類型化し,流域規模が異なる代表的な3水系について事故発生地点,排出量,物性の異なるシナリオで拡散状況を解析し,これらを要因とする暴露濃度の変化を定...

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Published in地球環境 Vol. 28; no. 2; pp. 179 - 186
Main Authors 恒見, 清孝, 小野, 恭子, 石川, 百合子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国際環境研究協会 2023
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Summary:災害・事故時の大気及び河川における拡散予測手法を開発するため,大気及び水域における化学物質の排出シナリオを作成し,代表的な化学物質の非定常排出時における漏洩を想定した大気と水域の解析を行い,早見表を作成した。具体的には,漏洩条件(排出シナリオ,気象状況)に対応した大気拡散解析をアンモニア,塩素,揮発性有機化学物質(VOC)について実施し,影響範囲の迅速な判断に資する,急性影響閾値を超過する範囲を示す早見表を作成した。水域は,全国河川を流域面積や流量で類型化し,流域規模が異なる代表的な3水系について事故発生地点,排出量,物性の異なるシナリオで拡散状況を解析し,これらを要因とする暴露濃度の変化を定量的に示したほか,早見表をクロロホルムについて作成した。以上の拡散濃度分布及び早見表を統合プラットフォームに掲載した。
ISSN:1342-226X
2758-3783
DOI:10.57466/chikyukankyo.28.2_179