小児下顎骨に発生した脈瘤性骨嚢胞の1例

緒言 脈瘤性骨嚢胞はJaffeら1)によって他の嚢胞性骨疾患とは異なる病変としてあげられ, 主として脊柱と長管骨に好発し, 顎骨に発生することはきわめてまれとされている. 本嚢胞は外科的侵襲により著明な出血をきたすこともあるため, その臨床診断は大変重要である. 今回, われわれは10歳男児の下顎骨に発生した脈瘤性骨嚢胞の1例を経験したので, その概要を報告する. 症例 患者:10歳, 男児. 初診:平成3年6月10日. 主訴:左側下顎の腫脹. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:カリエス治療を目的として受診した近歯科医より左側下顎部の腫脹を指摘され, 平成3年6月10日,...

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Published in小児口腔外科 Vol. 5; no. 1; pp. 109 - 115
Main Authors 中野洋子, 池田信子, 小枝弘実, 高野伸夫, 齊藤力, 重松知寛, 橋本貞充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 1995
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Summary:緒言 脈瘤性骨嚢胞はJaffeら1)によって他の嚢胞性骨疾患とは異なる病変としてあげられ, 主として脊柱と長管骨に好発し, 顎骨に発生することはきわめてまれとされている. 本嚢胞は外科的侵襲により著明な出血をきたすこともあるため, その臨床診断は大変重要である. 今回, われわれは10歳男児の下顎骨に発生した脈瘤性骨嚢胞の1例を経験したので, その概要を報告する. 症例 患者:10歳, 男児. 初診:平成3年6月10日. 主訴:左側下顎の腫脹. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:カリエス治療を目的として受診した近歯科医より左側下顎部の腫脹を指摘され, 平成3年6月10日, 紹介により当科を受診した.
ISSN:0917-5261
DOI:10.11265/poms1991.5.109