外科的矯正治療を適用した100症例における顎関節症状の長期変化

「緒言」顎変形症患者の外科的矯正治療は, 術前矯正治療による咬合の不安定化, 手術による咬合関係の大きな変化により, 一般不正咬合患者の矯正治療に比べて, 治療に伴う顎関節症状の発現や悪化のリスクが高いと考えられる. 外科的矯正治療に伴う顎関節症状の変化について, 術前矯正治療1,2)や外科手術前後3-6)の変化を検討した報告をみるが, 術前矯正治療, 外科手術, 術後矯正治療, 保定といった各治療ステップに対応した顎関節症状の長期的変化は未だ明らかにされていない. 他方, 顎変形症患者は, 一般不正咬合患者に比べ, 治療前から種々の顎関節症状の既往歴を有する頻度が高いことが報告2, 6-11...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 15; no. 2; pp. 78 - 86
Main Authors 加藤, 嘉之, 鹿野, 晶, 大山, 紀美栄, 本橋, 信義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.08.2005
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.15.78

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Summary:「緒言」顎変形症患者の外科的矯正治療は, 術前矯正治療による咬合の不安定化, 手術による咬合関係の大きな変化により, 一般不正咬合患者の矯正治療に比べて, 治療に伴う顎関節症状の発現や悪化のリスクが高いと考えられる. 外科的矯正治療に伴う顎関節症状の変化について, 術前矯正治療1,2)や外科手術前後3-6)の変化を検討した報告をみるが, 術前矯正治療, 外科手術, 術後矯正治療, 保定といった各治療ステップに対応した顎関節症状の長期的変化は未だ明らかにされていない. 他方, 顎変形症患者は, 一般不正咬合患者に比べ, 治療前から種々の顎関節症状の既往歴を有する頻度が高いことが報告2, 6-11)されているが, これら顎関節症状の治療の進行に伴う長期的変化についても十分明らかにされていない.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.15.78