当科における口唇裂口蓋裂児の齲蝕活動性に関する調査

口唇裂口蓋裂児の口腔衛生状態の管理, 向上の必要性が一貫治療を行う上で重要となったため本検討を行った. 対象は, 口唇裂口蓋裂児(3~9歳)56例, 健常児群として健常児(3~7歳)29例とし, 各項目において両群間を比較検討した. 結果:1. 齲蝕罹患状況では, 口唇裂口蓋裂群が各年代において健常児群より高い傾向を示した. 2. 細菌数では, Streptcoccus mutansとLactobacillusがともに口唇裂口蓋裂群が高い結果となった. 3. 唾液緩衝能試験では, 両群間に差は認めなかった. このことより, 口唇裂口蓋裂児の齲蝕活動性は健常児群に比較して高く, 術後の顎発育障害...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in小児口腔外科 Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 狩野, 岳史, 砂川, 元, 新崎, 章, 仲間, 錠嗣, 仲宗根, 敏幸, 國仲, 梨香, 石川, 拓, 比嘉, 努, 新谷, 晃代, 新垣, 敬一, 上田, 剛生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.06.2005
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.15.1

Cover

Loading…
More Information
Summary:口唇裂口蓋裂児の口腔衛生状態の管理, 向上の必要性が一貫治療を行う上で重要となったため本検討を行った. 対象は, 口唇裂口蓋裂児(3~9歳)56例, 健常児群として健常児(3~7歳)29例とし, 各項目において両群間を比較検討した. 結果:1. 齲蝕罹患状況では, 口唇裂口蓋裂群が各年代において健常児群より高い傾向を示した. 2. 細菌数では, Streptcoccus mutansとLactobacillusがともに口唇裂口蓋裂群が高い結果となった. 3. 唾液緩衝能試験では, 両群間に差は認めなかった. このことより, 口唇裂口蓋裂児の齲蝕活動性は健常児群に比較して高く, 術後の顎発育障害に関連した口腔内環境のため, 早期からの口腔管理の必要性が示唆された. [緒言] 口唇裂口蓋裂児は, 顎裂や痩孔の存在さらに歯列不正等の特異な口腔内環境のため健常児と比較して齲蝕罹患性が高く口腔内環境が不良であるといわれている1). そのためわれわれは, 口唇裂口蓋裂児の口腔衛生状態の管理, 向上に努めている. 今回, 齲蝕罹患状況および口腔内細菌数や唾液緩衝能などの齲蝕活動性を把握することを目的に検討を行った.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.15.1