再手術を要した両側性筋突起過形成の1例

「緒言」筋突起過形成は, 過度に形成された筋突起が頬骨弓と干渉することにより開口障害を呈する場合もあり, 外科的に過形成した筋突起を切除するのが有効な治療法と言われている1). 今回われわれは, 本疾患により若年時に筋突起切除を行った後, 再び過形成を示し, 2度の切除術を行った症例を経験したので, その概要を報告する. 症例 患者:13歳, 男児 初診:1997年3月 主訴:開口障害 既往歴・家族歴:特記事項なし 現病歴:小学校3, 4年生頃に歯科治療の際, 開口量が少ないことを指摘されており, 精査加療のために当科を紹介され初診した. 現症:全身所見:特記事項なし 口腔外所見:顔貌は対称で...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 小田, 陽平, 本間, 克彦, 小林, 正治, 加納, 浩之, 加藤, 祐介, 齊藤, 力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2008
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.18.49

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Summary:「緒言」筋突起過形成は, 過度に形成された筋突起が頬骨弓と干渉することにより開口障害を呈する場合もあり, 外科的に過形成した筋突起を切除するのが有効な治療法と言われている1). 今回われわれは, 本疾患により若年時に筋突起切除を行った後, 再び過形成を示し, 2度の切除術を行った症例を経験したので, その概要を報告する. 症例 患者:13歳, 男児 初診:1997年3月 主訴:開口障害 既往歴・家族歴:特記事項なし 現病歴:小学校3, 4年生頃に歯科治療の際, 開口量が少ないことを指摘されており, 精査加療のために当科を紹介され初診した. 現症:全身所見:特記事項なし 口腔外所見:顔貌は対称で, 両側の下顎角部がやや突出した形態であった. 最大開口量は上下顎中切歯間で34mmと軽度の開口障害がみられ, 開閉口時の運動痛は認めなかった. 口腔内所見:特記すべき所見なし 画像所見:パノラマX線写真で, 両側の筋突起の過形成を認めた(Fig. 1). 3D-CT画像において, 両側の筋突起は前後径が長く前上方へ向かい, 先端は頬骨弓よりも上方に位置していることが確認された(Fig. 3-A).
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.18.49