水質事故迅速モニタリング手法の開発と普及に関する研究

水質汚染事故発生時には即座に濃度把握が必要となることから,事故発生時に採水現場において測定が可能な簡易分析法と,標準物質を必要とせず広範囲の物質を分析可能なGC/MS スクリーニング分析法について検討した。簡易分析法に関しては,ホルムアルデヒドを対象に定量精度を検討した結果,市販の測定キットを用いた場合は濃度が過大評価となる可能性も示唆されたが,迅速・簡便な方法として有用であることが示された。スクリーニング分析法に関しては複数の装置により作成した検量線及び定量値の誤差について評価した結果,異なる装置で作成した検量線を用いた場合も,対象物質の多くを5 倍以内の誤差で定量できることが示された。さら...

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Published in地球環境 Vol. 28; no. 2; pp. 171 - 178
Main Author 小林, 憲弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国際環境研究協会 2023
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Summary:水質汚染事故発生時には即座に濃度把握が必要となることから,事故発生時に採水現場において測定が可能な簡易分析法と,標準物質を必要とせず広範囲の物質を分析可能なGC/MS スクリーニング分析法について検討した。簡易分析法に関しては,ホルムアルデヒドを対象に定量精度を検討した結果,市販の測定キットを用いた場合は濃度が過大評価となる可能性も示唆されたが,迅速・簡便な方法として有用であることが示された。スクリーニング分析法に関しては複数の装置により作成した検量線及び定量値の誤差について評価した結果,異なる装置で作成した検量線を用いた場合も,対象物質の多くを5 倍以内の誤差で定量できることが示された。さらに,実試料を用いた複数機関でのバリデーション試験により,機関による定性・定量結果の違いを検証した結果,解析者のトレーニングを行うことにより,各農薬の定量下限の3倍以上であれば解析者の判断はほぼ一致することが示された。
ISSN:1342-226X
2758-3783
DOI:10.57466/chikyukankyo.28.2_171