GC/MS向け汎用ターゲットスクリーニングシステムの検討
社会で使用される化学物質は急速に増加しており,環境や食品の安全性評価,事故の原因究明や災害後の二次被害防止には,多数の化学物質を分析することが望ましい.しかし,化学物質分析に汎用されるガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)では,同定のための標準物質測定が必要であり,測定物質数を制限している.一方,保持時間の固定や予測を用いた標準物質不要の同定システムも市販されているが,特定機器でしか使用できない.本研究では,市販のガスクロマトグラフ質量分析計(GC―MS)で標準物質を用いずにデータベース登録物質を検出する汎用ターゲットスクリーニングシステムを検討した.本システムは,アメリカ国立標準技術研...
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Published in | 分析化学 Vol. 64; no. 1; pp. 43 - 50 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
01.01.2015
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Summary: | 社会で使用される化学物質は急速に増加しており,環境や食品の安全性評価,事故の原因究明や災害後の二次被害防止には,多数の化学物質を分析することが望ましい.しかし,化学物質分析に汎用されるガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)では,同定のための標準物質測定が必要であり,測定物質数を制限している.一方,保持時間の固定や予測を用いた標準物質不要の同定システムも市販されているが,特定機器でしか使用できない.本研究では,市販のガスクロマトグラフ質量分析計(GC―MS)で標準物質を用いずにデータベース登録物質を検出する汎用ターゲットスクリーニングシステムを検討した.本システムは,アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)のAutomated Mass Spectral Deconvolution and Identification System(AMDIS)に昇温保持指標とマススペクトルを組み込んだものである.データベース作成時と同一条件で試料を測定することで,使用装置に拘わりなく保持時間を精確に予測し,マススペクトルと併せて確実に同定できる.現在の登録物質数は約1000であるが,容易に物質を追加でき,上記だけでなく薬物検出など多方面で活用できる. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.64.43 |