塩害環境下にあるRC橋脚の耐震安全性確保の観点から定めた限界鉄筋腐食量とその耐久設計法に関する確率論的考察

本研究は,塩害を受けるRC橋脚の耐震安全性を設計耐用期間内で確保するための耐震設計と耐久設計のあり方を信頼性理論に基づき検討したものである.具体的には,鉄筋腐食が生じたRC橋脚の耐震解析モデルを構築し,耐震解析に伴う不確定性を整理することで,健全RC橋脚と同等の耐震安全性(損傷確率)を有するとみなせる鉄筋腐食量の範囲などを検討した.次に,材料劣化の進展モデルに基づき,着目した各鉄筋腐食量に設計耐用期間内に到達する可能性を確率的に評価し,その確率値を許容値に抑えることができるかぶりを耐久信頼性設計により算定した.結果として,腐食ひび割れ発生点を限界状態とした耐久設計を行うことにより,設計耐用期間...

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Published in土木学会論文集E Vol. 64; no. 4; pp. 541 - 559
Main Authors 松崎, 裕, 佐藤, 広和, 鈴木, 基行, 内藤, 英樹, 秋山, 充良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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ISSN1880-6066
DOI10.2208/jsceje.64.541

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Summary:本研究は,塩害を受けるRC橋脚の耐震安全性を設計耐用期間内で確保するための耐震設計と耐久設計のあり方を信頼性理論に基づき検討したものである.具体的には,鉄筋腐食が生じたRC橋脚の耐震解析モデルを構築し,耐震解析に伴う不確定性を整理することで,健全RC橋脚と同等の耐震安全性(損傷確率)を有するとみなせる鉄筋腐食量の範囲などを検討した.次に,材料劣化の進展モデルに基づき,着目した各鉄筋腐食量に設計耐用期間内に到達する可能性を確率的に評価し,その確率値を許容値に抑えることができるかぶりを耐久信頼性設計により算定した.結果として,腐食ひび割れ発生点を限界状態とした耐久設計を行うことにより,設計耐用期間内の鉄筋腐食による耐震安全性の低下は無視でき,かつ合理的なかぶりの大きさを与えられる結果を得た.
ISSN:1880-6066
DOI:10.2208/jsceje.64.541