ガリウムゼオライト系触媒を用いる低密度ポリエチレンの接触分解による石油化学原料化ケミカルリサイクル

Gaゼオライト系触媒を用いる低密度ポリエチレン(LDPE)の分解における異種プラスチックの影響について検討した.Gaシリケート(H-GaMFI)はLDPEの分解による芳香族炭化水素の生成に有効な触媒であり,LDPEにポリエチレンテレフタレートが4%あるいはポリスチレンが20%含まれても触媒活性はほとんど変わらなかった.しかし,ポリ塩化ビニル(PVC)やポリアミド(PA)が1%以下の微量でも含まれると,H-GaMFIの触媒活性は低下し芳香族収率が減少した.これに対してGa担持H-ZSM-5ゼオライトは耐塩素性に優れ,微量のPVC存在下でも高活性な触媒であった.さらにPVCとPAが共存すると,PA...

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Published in高分子論文集 Vol. 70; no. 12; pp. 738 - 743
Main Authors 上道, 芳夫, 落合, 嘉美, 田, 幸恵, 山田, 誠人, 勝倉, 耀平, 神田, 康晴, 杉岡, 正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2013
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Summary:Gaゼオライト系触媒を用いる低密度ポリエチレン(LDPE)の分解における異種プラスチックの影響について検討した.Gaシリケート(H-GaMFI)はLDPEの分解による芳香族炭化水素の生成に有効な触媒であり,LDPEにポリエチレンテレフタレートが4%あるいはポリスチレンが20%含まれても触媒活性はほとんど変わらなかった.しかし,ポリ塩化ビニル(PVC)やポリアミド(PA)が1%以下の微量でも含まれると,H-GaMFIの触媒活性は低下し芳香族収率が減少した.これに対してGa担持H-ZSM-5ゼオライトは耐塩素性に優れ,微量のPVC存在下でも高活性な触媒であった.さらにPVCとPAが共存すると,PAの影響が抑制されることがわかった.このような高性能ポリオレフィン分解触媒の開発により,微量の異種プラスチックを許容する廃プラスチックの資源循環型ケミカルリサイクルシステムの構築が可能になると考えられる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.70.738