化学療法施行前の進行再発肺がん・膵がん患者における血清バイオマーカーと骨格筋機能の関連性

【目的】本研究の目的は進行再発肺がん・膵がん患者における血清バイオマーカーと、骨格筋機能の関連を検討することである。 【方法】単施設での後方視的コホート研究であり、化学療法施行前の肺がん・膵がん患者を対象とした。評価項目として、基本情報に加え、血清バイオマーカーであるIL-6、TNF-α、IGF-1と、骨格筋機能として握力、骨格筋指数(SMI)、除脂肪体重(LBM)を評価した。骨格筋機能を従属変数、血清バイオマーカーを独立変数とした単回帰分析を行ったのち、線形回帰を実施した。 【結果】解析対象は17名であり、単回帰分析の結果TNF-αと握力(p = 0.0134)、IGF-1とSMI(p =...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本がん・リンパ浮腫理学療法学会誌 Vol. 2; pp. 32 - 38
Main Authors 中野, 治郎, 勝島, 詩恵, 福島, 卓矢, 柳原, 一広, 草場, 正彦, 砂原, 正和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本がん・リンパ浮腫理学療法学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2759-0984
DOI10.60366/jjptol.JJPTOL-R5-A13

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】本研究の目的は進行再発肺がん・膵がん患者における血清バイオマーカーと、骨格筋機能の関連を検討することである。 【方法】単施設での後方視的コホート研究であり、化学療法施行前の肺がん・膵がん患者を対象とした。評価項目として、基本情報に加え、血清バイオマーカーであるIL-6、TNF-α、IGF-1と、骨格筋機能として握力、骨格筋指数(SMI)、除脂肪体重(LBM)を評価した。骨格筋機能を従属変数、血清バイオマーカーを独立変数とした単回帰分析を行ったのち、線形回帰を実施した。 【結果】解析対象は17名であり、単回帰分析の結果TNF-αと握力(p = 0.0134)、IGF-1とSMI(p = 0.0175)、LBM(p = 0.0152)との間に有意な関連を認めた。いずれの変数で調整した場合においてもTNF-αと握力との有意性は保たれ、IGF-1とSMI、LBMの関連においては、年齢以外の交絡因子で調整しても有意な関連が保たれた。IL-6はどの骨格筋機能とも有意な関連を認めなかった。 【結論】進行再発肺がん・膵がん患者におけるTNF-αとIGF-1は骨格筋機能と関連することが明らかと なった。
ISSN:2759-0984
DOI:10.60366/jjptol.JJPTOL-R5-A13