2度目のpilsicainide負荷試験により診断された有症候性Brugada症候群の1例

症例は19歳,男性.朝6時にテレビでマスターズゴルフを観賞中に胸痛なく心肺停止となり,心室細動(VF)に対して救急隊が除細動を施行し,自己心拍が再開し当院へ搬送となった.来院時心電図は洞調律で高位肋間心電図を含めBrugada型心電図を認めなかった.後日施行したpilsicainide負荷は陰性だった.電気生理学的検査でVFは誘発されず,アセチルコリン負荷で冠攣縮を認めたため,冠攣縮性狭心症によるVFと診断しCa拮抗薬を内服,植込み型除細動器(ICD)を植え込み退院した. 退院3カ月後,早朝にVFによるICD適切作動で来院し,心電図はBrugada型心電図を呈さなかったが,pilsicaini...

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Published in心臓 Vol. 44; no. SUPPL.2; pp. S2_41 - S2_47
Main Authors 北村, 健, 深水, 誠二, 赤澤, 良太, 名内, 雅宏, 西村, 卓郎, 渡邊, 智彦, 島田, 博史, 岩澤, 仁, 石川, 妙, 松下, 紀子, 北條, 林太郎, 安部, 朋美, 林, 武邦, 小宮山, 浩大, 田辺, 康宏, 手島, 保, 櫻田, 春水, 西崎, 光弘, 平岡, 昌和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2012
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Summary:症例は19歳,男性.朝6時にテレビでマスターズゴルフを観賞中に胸痛なく心肺停止となり,心室細動(VF)に対して救急隊が除細動を施行し,自己心拍が再開し当院へ搬送となった.来院時心電図は洞調律で高位肋間心電図を含めBrugada型心電図を認めなかった.後日施行したpilsicainide負荷は陰性だった.電気生理学的検査でVFは誘発されず,アセチルコリン負荷で冠攣縮を認めたため,冠攣縮性狭心症によるVFと診断しCa拮抗薬を内服,植込み型除細動器(ICD)を植え込み退院した. 退院3カ月後,早朝にVFによるICD適切作動で来院し,心電図はBrugada型心電図を呈さなかったが,pilsicainide負荷により高位肋間でcoved型ST上昇を認めBrugada症候群と診断した.Brugada症候群の心電図変化の日内変動,日差変動は多くが指摘するところであるが,複数回のpilsicainide負荷を施行した報告は少なく,特発性心室細動患者でのBrugada症候群の診断において有用であると考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.S2_41