顎裂骨移植後の縫合性上顎側方拡大の臨床成績
顎裂骨移植後に縫合性上顎側方拡大を試みた10例の唇顎口蓋裂の臨床成績について報告する. 症例は6例の両側唇顎口蓋裂と4例の片側唇顎口蓋裂を含んでいた. 平均8歳7カ月に顎裂骨移植が行われ,平均11歳1カ月で側方拡大が開始されていた. 全例で上顎問縫合の離開が観察されたが,そのうち5例では不十分な離開であった.拡大年齢が遅れたり,中間顎の外科的整位が行われた症例では縫合離開量が少なかった. 片側性の1例では左右非対称の拡大を試みて,縫合離開を伴う拡大が可能であった. 本治療法は顎裂骨移植と上顎拡大を要する症例の一つの選択肢と考えられる....
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Published in | 日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 85 - 90 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口蓋裂学会
30.04.2007
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Subjects | |
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ISSN | 0386-5185 2186-5701 |
DOI | 10.11224/cleftpalate1976.32.1_85 |
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Summary: | 顎裂骨移植後に縫合性上顎側方拡大を試みた10例の唇顎口蓋裂の臨床成績について報告する. 症例は6例の両側唇顎口蓋裂と4例の片側唇顎口蓋裂を含んでいた. 平均8歳7カ月に顎裂骨移植が行われ,平均11歳1カ月で側方拡大が開始されていた. 全例で上顎問縫合の離開が観察されたが,そのうち5例では不十分な離開であった.拡大年齢が遅れたり,中間顎の外科的整位が行われた症例では縫合離開量が少なかった. 片側性の1例では左右非対称の拡大を試みて,縫合離開を伴う拡大が可能であった. 本治療法は顎裂骨移植と上顎拡大を要する症例の一つの選択肢と考えられる. |
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ISSN: | 0386-5185 2186-5701 |
DOI: | 10.11224/cleftpalate1976.32.1_85 |