ケースレポートからみえるA病院の看護の特徴

本研究は、A病院の看護師が著している看護を明らかにすることを目的にした。過去5年のケースレポートのうち13本を対象とし、質的に分析した。結果、看護師は【治療やケアへの拒否を患者の苦痛として捉え(る)】、【苦痛の少ない処置や方法を探求(する)】し、症状の軽減を図っていた。回復に時間を要する患者の場合は【患者の状況を目標達成過程であると肯定的に捉え(る)】、【セルフケアレベルを下げないことを重視する】ようにしていた。患者、家族の【素直な気持ちを受け止め(る)】、【患者のできることを見つけ続け(る)】ていた。そして、患者の特徴や背景に注目し【生活で大切にしていることと治療を継続することの折り合いを図...

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Published in神戸市立病院紀要 Vol. 62; pp. 9 - 16
Main Authors 杉原, 陽子, 別府, 清香, 山本, 和代, 荒木, 敬雄, 新田, 和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 地方独立行政法人 神戸市民病院機構 2024
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ISSN0286-455X
2434-7590
DOI10.32301/kobecityhospital.62.0_9

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Summary:本研究は、A病院の看護師が著している看護を明らかにすることを目的にした。過去5年のケースレポートのうち13本を対象とし、質的に分析した。結果、看護師は【治療やケアへの拒否を患者の苦痛として捉え(る)】、【苦痛の少ない処置や方法を探求(する)】し、症状の軽減を図っていた。回復に時間を要する患者の場合は【患者の状況を目標達成過程であると肯定的に捉え(る)】、【セルフケアレベルを下げないことを重視する】ようにしていた。患者、家族の【素直な気持ちを受け止め(る)】、【患者のできることを見つけ続け(る)】ていた。そして、患者の特徴や背景に注目し【生活で大切にしていることと治療を継続することの折り合いを図(る)】り、個別性のある看護を行っていた。これらの特徴は、A病院の患者の特徴に合わせた看護として汎用性が高いことが示唆された。
ISSN:0286-455X
2434-7590
DOI:10.32301/kobecityhospital.62.0_9