イメグリミン内服患者の肝切除術後に高度の乳酸アシドーシスを認めた一例

90代男性が肝切除術後に乳酸アシドーシスを発症した。残肝血流は良好であったにもかかわらず,ICU入室後も乳酸値は上昇し最大17mmol/Lまで上昇した。しかし臨床症状には乏しく支持療法で改善が得られ,翌日一般病棟に帰室した。手術前日まで内服していたイメグリミンは乳酸アシドーシスを引き起こしにくいとされているものの,ビグアナイド薬と部分的に同様の乳酸代謝抑制作用がある。ビグアナイド薬による乳酸アシドーシスの危険因子のうち,高齢・脱水・周術期の使用など本症例では多くの危険因子を有しており,その影響で乳酸アシドーシスが惹起された可能性が示唆された。...

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Published in蘇生 Vol. 44; no. 1; pp. 18 - 21
Main Authors 日髙, 淳介, 古川, 昌宏, 岡, 英男, 梅原, 麻里子, 松本, 聡, 坂本, 誠史, 山本, 興貴, 上司, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 01.04.2025
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.44.1_18

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Summary:90代男性が肝切除術後に乳酸アシドーシスを発症した。残肝血流は良好であったにもかかわらず,ICU入室後も乳酸値は上昇し最大17mmol/Lまで上昇した。しかし臨床症状には乏しく支持療法で改善が得られ,翌日一般病棟に帰室した。手術前日まで内服していたイメグリミンは乳酸アシドーシスを引き起こしにくいとされているものの,ビグアナイド薬と部分的に同様の乳酸代謝抑制作用がある。ビグアナイド薬による乳酸アシドーシスの危険因子のうち,高齢・脱水・周術期の使用など本症例では多くの危険因子を有しており,その影響で乳酸アシドーシスが惹起された可能性が示唆された。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.44.1_18