多職種参加型心不全ワークシート導入前後におけるリハビリテーションの効果

多職種参加型心不全ワークシートを作成し運用した.対象は,平成23年2月から5月に心不全で当院循環器内科病棟に入院した患者25名をコントロール群とし,6月から10月に入院した患者20名を介入群とした.各群間の患者背景因子に有意差は認めなかった.各歩行開始日,および入院期間において介入群が有意に短縮しており,経過中に有害事象は認めなかった.退院時6分間歩行距離は,有意差は認めないものの介入群で延長傾向にあった.病期により分類し多職種が記入できるワークシートを作成したことにより情報の共有化,早期からの離床が可能になった.早期からの離床は十分な注意が必要であり,理学療法士によるモニタリングの徹底,多職...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本冠疾患学会雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 181 - 187
Main Authors 大塚, 進, 山田, 順子, 平山, 篤志, 大矢, 俊之, 亀山, 久美子, 松土, 理恵, 奥村, 恭男, 加藤, 真帆人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本冠疾患学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1341-7703
2187-1949
DOI10.7793/jcoron.19.13-00026

Cover

More Information
Summary:多職種参加型心不全ワークシートを作成し運用した.対象は,平成23年2月から5月に心不全で当院循環器内科病棟に入院した患者25名をコントロール群とし,6月から10月に入院した患者20名を介入群とした.各群間の患者背景因子に有意差は認めなかった.各歩行開始日,および入院期間において介入群が有意に短縮しており,経過中に有害事象は認めなかった.退院時6分間歩行距離は,有意差は認めないものの介入群で延長傾向にあった.病期により分類し多職種が記入できるワークシートを作成したことにより情報の共有化,早期からの離床が可能になった.早期からの離床は十分な注意が必要であり,理学療法士によるモニタリングの徹底,多職種の視点からの評価と情報共有が重要であると考えられた.社会の高齢化と共に,再入院の多い心不全患者の高齢化が進む中で,今後も早期からの心臓リハビリテーションの可能性について研究が必要である.
ISSN:1341-7703
2187-1949
DOI:10.7793/jcoron.19.13-00026