他者との運動実践と高齢者の運動継続との縦断的関連およびその心理的メカニズムの検証

【目的】他者との運動実践は,心理的要因(ソーシャルサポート,態度,自己調整,セルフ・エフィカシー)を媒介して高齢者の運動継続に関連しているかを検証した。【方法】65~74 歳の社会調査モニターへweb 調査を行った。事前調査で運動を行っており,かつ1 年後調査に回答した274 名を分析対象とし,運動時間,他者との運動実践の有無,心理的要因,基本属性,外向性を調査した。【結果】重回帰分析の結果,事前調査での他者との運動実践は,1 年後の運動継続へ有意に関連していた(β=.13,p=.027)。パス解析の結果,ソーシャルサポートは態度,自己調整,セルフ・エフィカシーを介して運動継続に関連していたが...

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Published in日本予防理学療法学会雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 39 - 50
Main Authors 太田, 幸志, 原田, 和弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本予防理学療法学会 30.09.2023
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Summary:【目的】他者との運動実践は,心理的要因(ソーシャルサポート,態度,自己調整,セルフ・エフィカシー)を媒介して高齢者の運動継続に関連しているかを検証した。【方法】65~74 歳の社会調査モニターへweb 調査を行った。事前調査で運動を行っており,かつ1 年後調査に回答した274 名を分析対象とし,運動時間,他者との運動実践の有無,心理的要因,基本属性,外向性を調査した。【結果】重回帰分析の結果,事前調査での他者との運動実践は,1 年後の運動継続へ有意に関連していた(β=.13,p=.027)。パス解析の結果,ソーシャルサポートは態度,自己調整,セルフ・エフィカシーを介して運動継続に関連していたが,他者との運動実践はいずれの心理的要因とも有意に関連していなかった(β=-.05~.12, p=.054~.880)。【結論】本研究で注目した心理的要因は,他者との運動実践と運動継続との媒介要因でないことが示唆された。
ISSN:2436-9950
DOI:10.57304/jptp.JPTP-D-23-00008