膀胱平滑筋に対するボンベシンおよびGRP (Gastrin Releasing Peptide) 関連ペプチドの収縮作用
モルモット膀胱体部より採取した平滑筋筋条片を用い, ボンベシンおよびGRP (Gastrin Releasing Peptide) 関連ペプチドの膀胱に対する収縮作用を, in vitro にて検討した. GRP1-27および2種のC末端フラグメントGRP14-27, GRP18-27は, 同程度の強さで, 筋条片の用量依存性の収縮を惹起した. しかし, GRP1-27のN末端フラグメントGRP1-14はまったく筋条片の収縮を引き起こさなかった. ボンベシンも用量依存性の収縮を惹起したが, GRP関連ペプチドよりやや強力であった. GRP18-27により惹起される収縮は, 筋条片の phent...
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Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 79; no. 4; pp. 700 - 704 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
1988
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5287 1884-7110 |
DOI | 10.5980/jpnjurol1928.79.4_700 |
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Summary: | モルモット膀胱体部より採取した平滑筋筋条片を用い, ボンベシンおよびGRP (Gastrin Releasing Peptide) 関連ペプチドの膀胱に対する収縮作用を, in vitro にて検討した. GRP1-27および2種のC末端フラグメントGRP14-27, GRP18-27は, 同程度の強さで, 筋条片の用量依存性の収縮を惹起した. しかし, GRP1-27のN末端フラグメントGRP1-14はまったく筋条片の収縮を引き起こさなかった. ボンベシンも用量依存性の収縮を惹起したが, GRP関連ペプチドよりやや強力であった. GRP18-27により惹起される収縮は, 筋条片の phentolamine, propranolol, atropine, tetrodotoxin, hexamethonium, hemicholinium-3による前処置によりまったく抑制されなかった. 以上の結果より, GRP関連ペプチドはボンベシンと同様, 膀胱平滑筋の収縮作用を有し, C末端デカペプチドGRP18-27がこの作用に必要な最小ペプチド鎖であることが示唆された. また, この収縮作用は神経活動やアドレナリン, コリン作動性レセプターを介さず, 筋細胞への直接作用によることが示された. |
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ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.79.4_700 |