右胃大網動脈の右冠動脈領域に対する治療成績

【背景】冠動脈バイパス (CABG) で右冠動脈領域 (RCA) に対するグラフト選択はいまだ結論が出ていない.今回,右胃大網動脈 (GEA) と大伏在静脈 (SVG) のRCAにおける有用性を比較,検討した.【対象】2006年2月から2015年7月に当院で行った単独CABGのうち,RCAに対しGEAまたはSVGを使用した症例.【結果】5年生存率,5年MACCE回避率は両群間で有意差はなかった.5年開存率はGEA (86%) がSVG (70%) より有意に高く,高度狭窄病変に対する5年開存率もGEA (91%) がSVG (69%) より有意に高かったが,中等度狭窄病変については両群間で有意...

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Published in日本冠疾患学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 吉崎, 智也, 櫻井, 啓暢, 大石, 清寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本冠疾患学会 2018
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ISSN1341-7703
2187-1949
DOI10.7793/jcoron.24.17-00011

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Summary:【背景】冠動脈バイパス (CABG) で右冠動脈領域 (RCA) に対するグラフト選択はいまだ結論が出ていない.今回,右胃大網動脈 (GEA) と大伏在静脈 (SVG) のRCAにおける有用性を比較,検討した.【対象】2006年2月から2015年7月に当院で行った単独CABGのうち,RCAに対しGEAまたはSVGを使用した症例.【結果】5年生存率,5年MACCE回避率は両群間で有意差はなかった.5年開存率はGEA (86%) がSVG (70%) より有意に高く,高度狭窄病変に対する5年開存率もGEA (91%) がSVG (69%) より有意に高かったが,中等度狭窄病変については両群間で有意差がなかった.多変量解析ではGEAの使用がグラフト開存の有意な因子であった (Odds比4.0,P値0.044).【結語】RCAにおけるGEAのグラフト選択は有用であるが,中等度狭窄病変においてはさらなる検討が必要である.
ISSN:1341-7703
2187-1949
DOI:10.7793/jcoron.24.17-00011