市民連携による生物季節観測

1953 年以降,全国の気象台で職員が業務として植物や動物のその年初めての活動日の記録を蓄積する生物季節観測が行われてきた。しかし,この観測は 2020 年度に9 割が終了したことから,それに代わるものとして国立環境研究所が開始した取り組みが,市民科学として観測体制を再構築するというものである。2021 年から観測を開始し,2023 年 2 月の段階で 42 の都道府県から 300 名以上の調査員が参加するネットワークとなった。観測記録も 2,000 件以上寄せられており,順調に観測体制が構築されつつある。しかし,調査員の偏りや不在地の地域など問題は多い。本稿ではその経緯や取り組み,今後の発展...

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Published in地球環境 Vol. 28; no. 1; pp. 15 - 24
Main Authors 辻本, 翔平, 池上, 真木彦, 熊谷, 直喜, 小出, 大, 西廣, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国際環境研究協会 2023
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Summary:1953 年以降,全国の気象台で職員が業務として植物や動物のその年初めての活動日の記録を蓄積する生物季節観測が行われてきた。しかし,この観測は 2020 年度に9 割が終了したことから,それに代わるものとして国立環境研究所が開始した取り組みが,市民科学として観測体制を再構築するというものである。2021 年から観測を開始し,2023 年 2 月の段階で 42 の都道府県から 300 名以上の調査員が参加するネットワークとなった。観測記録も 2,000 件以上寄せられており,順調に観測体制が構築されつつある。しかし,調査員の偏りや不在地の地域など問題は多い。本稿ではその経緯や取り組み,今後の発展の可能性について紹介する。
ISSN:1342-226X
2758-3783
DOI:10.57466/chikyukankyo.28.1_15