脳性麻痺の評価と治療 臨床推論の例示

かつて出生児1,000人に対し3~4人の脳性麻痺児が, 発生していた. 先進国では1975年から1980年頃をピークに, 年々減少し発生率が1,000人に対して1~0.4人にまでになった. それは周産期医療技術および救急医療搬送体制の進歩によるものであるが, 再び発生率上昇に転じている. 乳児死亡率が限りなくゼロに近づいて, 超低出生体重児(900g以下)も命が助かるようになったからである. これにより, 脳性麻痺の発生機序と臨床像は, 以前の教科書に記述されている内容から大きく変化している. 今回は, 臨床推論手法を用いて, 治療しつつ評価し, 評価しつつ治療し, 近年の脳性麻痺児の特性をク...

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Published in理学療法学 Vol. 39; no. 4; pp. 219 - 221
Main Author 紀伊, 克昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.06.2012
日本理学療法士協会
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00008113243

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Summary:かつて出生児1,000人に対し3~4人の脳性麻痺児が, 発生していた. 先進国では1975年から1980年頃をピークに, 年々減少し発生率が1,000人に対して1~0.4人にまでになった. それは周産期医療技術および救急医療搬送体制の進歩によるものであるが, 再び発生率上昇に転じている. 乳児死亡率が限りなくゼロに近づいて, 超低出生体重児(900g以下)も命が助かるようになったからである. これにより, 脳性麻痺の発生機序と臨床像は, 以前の教科書に記述されている内容から大きく変化している. 今回は, 臨床推論手法を用いて, 治療しつつ評価し, 評価しつつ治療し, 近年の脳性麻痺児の特性をクローズアップする. 同時に, 全例への共通必須項目として, 以下の8項目を実践して, 国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)における参加と活動性への支援継続の具体策を提示する. 1. 中枢神経系損傷のために, 機能, 運動および姿勢トーンが障害されている脳性麻痺児へ, 包括的な問題解決を行う.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008113243