環境調整を併用した運動療法が薬原性錐体外路症状を伴う慢性統合失調症者の歩行機能に及ぼす影響について ランダム化クロスオーバー比較試験

【目的】本研究では,環境調整を併用した運動療法が薬原性錐体外路症状を伴う慢性統合失調症者の歩行機能に及ぼす影響について検討した。【対象】C精神科病院閉鎖病棟入院中の薬原性錐体外路症状を合併した慢性統合失調症者18名とした。【方法】ランダムにA群10名とB群8名の2群に分け,両群に同じ内容の運動療法を4週間実施し,その前後の歩行機能に有意差がないことを確認した。その後休止期間は設けず,A群は,環境調整を実施した運動療法を開始し,B群は,環境調整を実施しない運動療法を開始し,4週間後にそれぞれの条件を入れ替える,ランダム化クロスオーバー比較試験により実施した。【結果】環境調整実施前後では,歩行機能...

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Published in理学療法学 Vol. 41; no. 7; pp. 428 - 438
Main Authors 木村, 保, 四方, 公康, 山本, 隆一, 岡崎, 信也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2014
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00009747006

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Summary:【目的】本研究では,環境調整を併用した運動療法が薬原性錐体外路症状を伴う慢性統合失調症者の歩行機能に及ぼす影響について検討した。【対象】C精神科病院閉鎖病棟入院中の薬原性錐体外路症状を合併した慢性統合失調症者18名とした。【方法】ランダムにA群10名とB群8名の2群に分け,両群に同じ内容の運動療法を4週間実施し,その前後の歩行機能に有意差がないことを確認した。その後休止期間は設けず,A群は,環境調整を実施した運動療法を開始し,B群は,環境調整を実施しない運動療法を開始し,4週間後にそれぞれの条件を入れ替える,ランダム化クロスオーバー比較試験により実施した。【結果】環境調整実施前後では,歩行機能に有意な変化を認めた。また,動作確認表の作成が,環境調整の中でもっとも有効であった。【結論】本研究から,環境調整を併用した運動療法が,薬原性錐体外路症状を伴う慢性統合失調症者の歩行機能において,有効である可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009747006