両室ペーシング移植後に運動誘発性洞機能不全を呈した心アミロイドーシスの1例

症例は67歳, 男性. 以前から全身性アミロイドーシス, 6年前に脳梗塞を契機に心アミロイドーシスの診断も受けた. NYHA IIIの心不全, 心電図上心房粗動と左脚ブロックを認め, 2009年にアブレーションと電気的除細動にて洞調律化を図り, 植込み型除細動器付き両心室ペースメーカー(cardiac resynchronization therapy defibrillator; CRTD)移植を行った. 移植後6カ月ころから, 運動中にのみ失神前駆症状を繰り返すため, 精査を行ったところ, 再現性を持って生じる運動誘発性の洞停止とRR間隔延長が原因であることがわかり, ペースメーカーの設定...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 8; pp. 1132 - 1137
Main Authors 松室, 明義, 松原, 弘明, 畔柳, 彰, 沢田, 尚久, 白石, 裕一, 中村, 猛, 山野, 哲弘, 白山, 武司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
日本心臓財団
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.1132

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Summary:症例は67歳, 男性. 以前から全身性アミロイドーシス, 6年前に脳梗塞を契機に心アミロイドーシスの診断も受けた. NYHA IIIの心不全, 心電図上心房粗動と左脚ブロックを認め, 2009年にアブレーションと電気的除細動にて洞調律化を図り, 植込み型除細動器付き両心室ペースメーカー(cardiac resynchronization therapy defibrillator; CRTD)移植を行った. 移植後6カ月ころから, 運動中にのみ失神前駆症状を繰り返すため, 精査を行ったところ, 再現性を持って生じる運動誘発性の洞停止とRR間隔延長が原因であることがわかり, ペースメーカーの設定変更で症状が改善した. ペースメーカー移植術後にもかかわらず, 運動中のみに失神前駆症状を伴う洞停止を生じ, ペーシングの作動を詳細に検討し得た貴重な症例であることから, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.1132