森林認証制度と政府の役割 : 各国のアプローチと相互承認の行方を論点として

日本において森林認証制度が考案される場合を想定し,その制度が備えるべき必要条件と政府関与のあり方を探った。政府の役割に関しては,各国政府のアプローチ,特にフィンランドでの経験から,認証制度周辺の法環境を整備すること,特に持続可能な森林経営を目指した国際プロセスを踏襲するような法環境の整備が不可欠であることを指摘した。また,認証制度の運用局面では既存の政府組織と協調関係を作ることの重要性を指摘した。加えて,認証制度の枢要部分には複数の行政機構が関与することが一般的であり,認証システム内部に重層的に配備されていることが分かった。また,最近の「相互承認」の動きは認証制度が備えるべき条件を示すとの仮定...

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Published in林業経済研究 Vol. 48; no. 1; pp. 39 - 46
Main Authors 根本, 昌彦, 佐々木, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 林業経済学会 2002
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ISSN0285-1598
2424-2454
DOI10.20818/jfe.48.1_39

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Summary:日本において森林認証制度が考案される場合を想定し,その制度が備えるべき必要条件と政府関与のあり方を探った。政府の役割に関しては,各国政府のアプローチ,特にフィンランドでの経験から,認証制度周辺の法環境を整備すること,特に持続可能な森林経営を目指した国際プロセスを踏襲するような法環境の整備が不可欠であることを指摘した。また,認証制度の運用局面では既存の政府組織と協調関係を作ることの重要性を指摘した。加えて,認証制度の枢要部分には複数の行政機構が関与することが一般的であり,認証システム内部に重層的に配備されていることが分かった。また,最近の「相互承認」の動きは認証制度が備えるべき条件を示すとの仮定の下,その要点を摘出した。制度の透明性,一貫性などの他,市民参加の制度を整えておく等は総ての認証制度が備えておくべき必要条件である。
ISSN:0285-1598
2424-2454
DOI:10.20818/jfe.48.1_39