クリニカルリーズニングに基づく症例検討 下肢神経症状を有する症例について

本稿ではおもに臨床意思決定→治療介入→再評価の流れと, 患者教育, 患者への治療参加への促し方や行動を変容させるための方略について, メタ認知を含めた思考過程を提示する. (症例提示) 64歳, 女性. 診断名は腰椎椎間板ヘルニア. 性格的に非常に前向き, negativeな因子は見受けられない. 理学療法への参加も積極的である. 職業は清掃業で1日に約9時間, フローリングワイパー・掃除機を使用しての立位での作業が主である. 現在の職場に10年以上勤務し, スタッフ内では中心的な役割を担っている. 趣味ははじめて間もないボーリングであり, 可能であれば再開したいとの要望があった. 主訴として...

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Published in理学療法学 Vol. 41; no. 8; pp. 584 - 587
Main Authors 多々良, 大輔, 常盤, 直孝, 木藤, 伸宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2014
日本理学療法士協会
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Summary:本稿ではおもに臨床意思決定→治療介入→再評価の流れと, 患者教育, 患者への治療参加への促し方や行動を変容させるための方略について, メタ認知を含めた思考過程を提示する. (症例提示) 64歳, 女性. 診断名は腰椎椎間板ヘルニア. 性格的に非常に前向き, negativeな因子は見受けられない. 理学療法への参加も積極的である. 職業は清掃業で1日に約9時間, フローリングワイパー・掃除機を使用しての立位での作業が主である. 現在の職場に10年以上勤務し, スタッフ内では中心的な役割を担っている. 趣味ははじめて間もないボーリングであり, 可能であれば再開したいとの要望があった. 主訴としては立位・歩行時の左腰殿部~大腿後面・下腿後面にわたる痺れと痛みであった. 座位での症状は認められない. 元来腰痛は有していなかったが, 4月上旬に誘引なく起床時に主訴. 他院にて内服とマッサージのみ行っていたが, 2週間経過しても症状持続のため, 当院受診となった.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009647383