分子鎖末端間で酸–塩基相互作用するポリマーブレンドの選択溶媒中における会合挙動

本研究では,分子鎖の末端間で酸–塩基相互作用する水溶性の両末端アミノ化ポリエチレングリコール(APEG)と疎水性の末端カルボキシル化ポリメタクリル酸メチル(CPMMA)のブレンドの水中での会合挙動を小角X線散乱により検討した.APEG-CPMMAブレンドは両親媒性ブロック共重合体と同様に,APEGの選択溶媒である水中に均一に分散した.しかし,会合体の構造は調製法に強く依存した.ラメラ繰返し構造をもつAPEG-CPMMAブレンド固体を直接水に分散させた場合,疎水性コアの厚さが4.2 nm,全体の厚さが11.0 nmであるコアシェル型の円板状会合体を形成するが,テトラヒドロフラン溶液から溶媒置換法...

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Published in高分子論文集 Vol. 71; no. 8; pp. 367 - 371
Main Authors 村田, 将一, 木下, 雅貴, 釘本, 大資, 大倉, 彩, 秋葉, 勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2014
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Summary:本研究では,分子鎖の末端間で酸–塩基相互作用する水溶性の両末端アミノ化ポリエチレングリコール(APEG)と疎水性の末端カルボキシル化ポリメタクリル酸メチル(CPMMA)のブレンドの水中での会合挙動を小角X線散乱により検討した.APEG-CPMMAブレンドは両親媒性ブロック共重合体と同様に,APEGの選択溶媒である水中に均一に分散した.しかし,会合体の構造は調製法に強く依存した.ラメラ繰返し構造をもつAPEG-CPMMAブレンド固体を直接水に分散させた場合,疎水性コアの厚さが4.2 nm,全体の厚さが11.0 nmであるコアシェル型の円板状会合体を形成するが,テトラヒドロフラン溶液から溶媒置換法により調製した場合,疎水性コアの半径が13.8 nm,全体の半径が20.0 nmであるコアシェル型の球状会合体を形成することがわかった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.71.367