眼科病棟における薬物療法の安全性向上への薬剤師の介入 薬物療法上の問題症例の解析結果に基づく情報提供による眼科医の処方の変化

緒言 医療事故の報道が絶えない昨今, 国民の医療不信が大きくなる中で, 薬剤師は医療の安全, 特に薬物療法における安全性を積極的に確保することが必要である. そのひとつの業務に薬剤管理指導業務がある. 本業務において薬学的見地から薬剤師が介入して改善・解決した症例では, 医師・看護師側からでは発見しにくい薬物療法上の問題を指摘していると考えられる. したがって, これらの症例を精査・分析することは, 薬物療法の安全性の向上に繋がるものと考えられる. 日本病院薬剤師会が推進するプレアボイド報告は, 薬剤師が薬歴管理, 服薬指導, TDMなどのファーマシューティカル・ケアを通じて, 医薬品の副作用...

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Published in医療薬学 Vol. 32; no. 8; pp. 747 - 753
Main Authors 奈良原, 香織, 古舘, ひとみ, 村井, ユリ子, 薮田, 芙実, 猪岡, 京子, 中村, 仁, 中川, 直人, 田坂, 英久, 全田, 文子, 榎本, 悦子, 岸川, 幸生, 後藤, 順一, 中村, 浩規, 菱沼, 隆則, 久道, 周彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2006
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.32.747

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Summary:緒言 医療事故の報道が絶えない昨今, 国民の医療不信が大きくなる中で, 薬剤師は医療の安全, 特に薬物療法における安全性を積極的に確保することが必要である. そのひとつの業務に薬剤管理指導業務がある. 本業務において薬学的見地から薬剤師が介入して改善・解決した症例では, 医師・看護師側からでは発見しにくい薬物療法上の問題を指摘していると考えられる. したがって, これらの症例を精査・分析することは, 薬物療法の安全性の向上に繋がるものと考えられる. 日本病院薬剤師会が推進するプレアボイド報告は, 薬剤師が薬歴管理, 服薬指導, TDMなどのファーマシューティカル・ケアを通じて, 医薬品の副作用や相互作用を早期に発見し, 回避あるいは軽減に貢献したという薬剤師の取り組みの記録であり1), これまで多数の症例が報告されている2-4). つまり, プレアボイド報告事例を対象にすることにより, 有益な知見が得られるものと考えられる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.747