環境ユニットモデルを用いた谷戸ミティゲーション計画 : 国営ひたち海浜公園・常陸那珂港沢田湧水地における生物多様性保全の試み(<特集>ビオトープの生態学-保全生態学からみた復元(2))

生物多様性の保全を目的としたミティゲーション(環境影響緩和)として,環境ユニットモデルを用いて谷戸の復元計画を立案した.茨城県ひたちなか市にある沢田湧水地は,国営ひたち海浜公園と茨城県常陸那珂港にまたがる低湿地で,豊富な湧水に潤された豊かな生物相が成立している.ところが,港湾事業によって近い将来この湧水地の下流側半部が消失し,湧水そのものの枯渇が予測されるため,国営公園敷地内に現在の谷戸をモデルとした新しい谷戸を造成してそこに谷戸の主要な生物を移す計画を立案した.計画立案にあたっては,現在の谷戸の生態系を環境ユニットモデルによって把握し,それと類似した環境ユニットの組み合わせを再現することによ...

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Published in保全生態学研究 Vol. 3; no. 1; pp. 9 - 35
Main Authors 日置, 佳之, 田中, 隆, 須田, 真一, 梅原, 徹, 裏戸, 秀幸, 宮畑, 貴之, 星野-今給黎, 順子, 松林, 健一, 大原, 正之, 箕輪, 隆一, 小俣, 信一郎, 村井, 英紀, 川上, 寛人, 長田, 光世, 越水, 麻子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生態学会 1998
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Summary:生物多様性の保全を目的としたミティゲーション(環境影響緩和)として,環境ユニットモデルを用いて谷戸の復元計画を立案した.茨城県ひたちなか市にある沢田湧水地は,国営ひたち海浜公園と茨城県常陸那珂港にまたがる低湿地で,豊富な湧水に潤された豊かな生物相が成立している.ところが,港湾事業によって近い将来この湧水地の下流側半部が消失し,湧水そのものの枯渇が予測されるため,国営公園敷地内に現在の谷戸をモデルとした新しい谷戸を造成してそこに谷戸の主要な生物を移す計画を立案した.計画立案にあたっては,現在の谷戸の生態系を環境ユニットモデルによって把握し,それと類似した環境ユニットの組み合わせを再現することによって,生物相の保全を計画した.
ISSN:1342-4327
2424-1431
DOI:10.18960/hozen.3.1_9