人工膝関節置換術当日における立位保持が運動機能の改善や深部静脈血栓症の予防に与える影響 無作為化比較試験による検討

• Published in: 理学療法学 Vol. 41; no. 7; pp. 407 - 413
• Main Authors: 飛山, 義憲, 和田, 治, 川添, 大樹, 中北, 智士, 松岡, 佑美, 新田, 真吾, 丸野, 英人, 水野, 清典, 岩崎, 安伸
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本理学療法士学会 20.12.2014; 日本理学療法士協会
• Subjects: 人工膝関節置換術; 早期理学療法; 無作為化比較試験
• ISSN: 0289-3770; 2189-602X
• DOI: 10.15063/rigaku.KJ00009747003

【目的】本研究の目的は人工膝関節置換術(以下,TKA)当日の立位保持が,術後早期の運動機能および深部静脈血栓症(以下,DVT)の発症に及ぼす影響を検討することである。【方法】TKAを施行する75名を対象とし,術当日に立位保持を行う立位群,端座位をとる座位群,足関節底背屈運動のみを行う臥床群の3群に無作為に群分けした。手術1ヵ月前および術後4日目に運動機能評価(可動域,膝関節伸展筋力,10m歩行時間,Timed Up & Go test)を行った。DVTの指標として手術1ヵ月前および術後4日目のD-dimerの測定,術後3〜5日目に超音波診断検査を行った。また,術後4日目のC-Reactive Protein(以下,CRP)を炎症症状の指標とした。【結果】各群の比較では術前の年齢や運動機能には有意な差を認めなかった。術後の運動機能にも群間差は認めなかったが,立位群におけるDVTの発症率は有意に低く,臥床群は有意に高値なD-dimerを示した。CRPに有意な差はなかった。【結論】術当日に立位保持を行うことは,炎症症状を助長することなくDVTに対する予防効果を有する可能性が示唆された。