ラット反復投与毒性試験における計量値データ解析法
ラット反復投与毒性試験における計量値データの解析方法について, 実際の毒性試験データに基づいて検討した。統計的検定は一つの検査項目が注意すべきかどうか判断するための目印(flagging)として利用されている。その際, 対照群との比較ではDunnett法が用いられることが多かったが, 用量の設定が単調な用量反応関係を期待しているのでWilliams法を用いるほうが適切である。有意水準は両側2.5%に設定するとflaggingの観点で有用であることが示された。また, 不等分散の程度が強くなるとノンパラメトリック法であるSteel法(南側2.5%)が有用であった。Steel法はdownturn現象...
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Published in | The Journal of Toxicological Sciences Vol. 25; no. 2; pp. App71 - App81 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本毒性学会
2000
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Summary: | ラット反復投与毒性試験における計量値データの解析方法について, 実際の毒性試験データに基づいて検討した。統計的検定は一つの検査項目が注意すべきかどうか判断するための目印(flagging)として利用されている。その際, 対照群との比較ではDunnett法が用いられることが多かったが, 用量の設定が単調な用量反応関係を期待しているのでWilliams法を用いるほうが適切である。有意水準は両側2.5%に設定するとflaggingの観点で有用であることが示された。また, 不等分散の程度が強くなるとノンパラメトリック法であるSteel法(南側2.5%)が有用であった。Steel法はdownturn現象のような予期し得ない反応が起きたときにもflaggingとして有用であった。一元配置分散分析のように母平均の一様性を評価する検定は, 対照群との比較の前に実施する必要はない。以上の検討結果から, ラット反復投与毒性試験における計量値データの解析法としては, Williams法を両側2.5%で実施し, 有意差が認められない場合にはSteel法を両側2.5%で実施する2段階手順が推奨される。 |
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ISSN: | 0388-1350 1880-3989 |
DOI: | 10.2131/jts.25.App71 |