人工膝関節置換術後の生活機能の変化 活動と参加に着目して

【目的】本研究の目的は,人工膝関節置換術患者を対象にICFの観点から,活動,参加の術後変化を明らかにすることである。【方法】人工膝関節置換術者51名を対象とし,術前,退院時,術後3ヵ月,6ヵ月に,活動,参加について,それぞれ実行状況,能力の評価を行った。評価項目にはICFの変形性膝関節症に対するコアセットを用いた。【結果】術前と比較して,活動の実行状況では術後6ヵ月で有意に低値を示し,能力では術後3ヵ月と6ヵ月で有意に低値を示した。参加は実行状況,能力ともに,術後6ヵ月で有意に低値を示した。【考察】術後は活動,参加ともに術前より改善するが,参加の改善は活動に比べて遅延すること,また,能力と比較...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 3; pp. 246 - 254
Main Authors 中村, 睦美, 木勢, 千代子, 山形, 沙穂, 森田, 真純, 長谷川, 恭一, 浅川, 育世, 水上, 昌文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.06.2015
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】本研究の目的は,人工膝関節置換術患者を対象にICFの観点から,活動,参加の術後変化を明らかにすることである。【方法】人工膝関節置換術者51名を対象とし,術前,退院時,術後3ヵ月,6ヵ月に,活動,参加について,それぞれ実行状況,能力の評価を行った。評価項目にはICFの変形性膝関節症に対するコアセットを用いた。【結果】術前と比較して,活動の実行状況では術後6ヵ月で有意に低値を示し,能力では術後3ヵ月と6ヵ月で有意に低値を示した。参加は実行状況,能力ともに,術後6ヵ月で有意に低値を示した。【考察】術後は活動,参加ともに術前より改善するが,参加の改善は活動に比べて遅延すること,また,能力と比較して実行状況の改善は遅延することが明らかになった。本研究の結果は,人工膝関節置換術後患者における活動や参加に関する理学療法アプローチの一助となると考えられる。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009989973