回復過程の脳卒中片麻痺者への部分免荷トレッドミル歩行練習の特徴 異なる歩行練習間の歩行速度変化,歩行距離,歩容の比較

【目的】本研究の目的は,回復過程の脳卒中片麻痺者への部分免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)の特徴を検討することである。【方法】脳卒中片麻痺者30例を対象に,BWSTT,平地歩行練習(TOF),トレッドミル歩行練習(TOT)のいずれかを選び,1日ごと無作為に行った。評価項目は,1日練習後の平地10 m最大歩行速度変化,練習中の歩行距離,単脚支持率,遊脚相の左右対称性とした。分析は,各練習様式間で歩行速度変化,歩行距離,単脚支持率,遊脚相の左右対称性を比較した。【結果】1日練習後の平地歩行速度変化は,練習様式間に有意差を認めなかった。歩行距離は,TOFよりもBWSTTの方が短距離の傾向であった...

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Published in理学療法学 Vol. 37; no. 3; pp. 139 - 145
Main Authors 武井, 圭一, 國澤, 佳恵, 山本, 満, 國澤, 洋介, 松本, 孝彦, 藪﨑, 純, 金子, 誠喜, 高倉, 保幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.06.2010
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00006485344

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Summary:【目的】本研究の目的は,回復過程の脳卒中片麻痺者への部分免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)の特徴を検討することである。【方法】脳卒中片麻痺者30例を対象に,BWSTT,平地歩行練習(TOF),トレッドミル歩行練習(TOT)のいずれかを選び,1日ごと無作為に行った。評価項目は,1日練習後の平地10 m最大歩行速度変化,練習中の歩行距離,単脚支持率,遊脚相の左右対称性とした。分析は,各練習様式間で歩行速度変化,歩行距離,単脚支持率,遊脚相の左右対称性を比較した。【結果】1日練習後の平地歩行速度変化は,練習様式間に有意差を認めなかった。歩行距離は,TOFよりもBWSTTの方が短距離の傾向であった。麻痺側単脚支持率は,BWSTTではTOTよりも有意に増加した。非麻痺側単脚支持率は,TOTではBWSTTとTOFよりも有意に減少した。遊脚相の左右対称性は,BWSTTとTOTはTOFよりも有意に高かった。【結論】回復過程の脳卒中片麻痺者へのBWSTTは,麻痺側単脚支持率を増加し,左右対称な歩行パターンでの歩行練習を促す特徴があると考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00006485344